今週の土曜日、中山競馬場ではNHKマイルのトライアル、ニュージーランドトロフィーが行われます。出走馬16頭の中で重賞馬が1頭だけというメンバー構成だけ見ると、そんなにレベルが高くないように思えますが、その1頭は3戦3勝でG1朝日杯フューチュリティを制したドルチェモア。むしろ2歳チャンピオンの出走で俄然がレベルが高くなり、さらに、翌日行われるG1桜花賞の出走を目指しながらも除外となってしまった7頭のうち5頭がこのレースに出走してきたことからも、意外に例年以上にレベルの高いメンバーが揃ったようです。
その中で注目しているのは、ピーチパトロール産駒の牡馬、シーウィザードです。シーウィザードは重賞勝ちこそありませんが、オープンの芙蓉ステークスを勝っていますし、新潟2歳ステークスでも3着の実績がある馬です。ところが、ここ3走は9着、7着、10着と大敗続きで、今回出走16頭の中でも過去3走で掲示板に一度も載っていない馬は、シーウィザードと地方所属馬エイシンエイトの2頭のみと着順の印象はよくありません。
ただ、その3走はG1、G3、G2といずれもレベルの高いレースばかりに出走してきましたし、勝馬との着差は、0.6秒、0.9秒、0.9秒といずれも1秒以内と着順ほど負けてはいないのです。さらに、シーウィザードの重賞出走時の人気と着順の関係を見ますと、G3の2戦は、2番人気で3着、4番人気で7着と人気よりも着順が下がっているのですが、よりハイレベルのG1とG2では13番人気で9着、12番人気で10着と人気よりも着順が上回っているのです。
このことから、シーウィザードという馬は、レベルが高ければ高いほど走れる馬なのかもしれません。少し前なら、G2ではあっさり負けても、G1になると2着に食い込んできたステイゴールドのようにレベルが高いほど激走するタイプの馬の可能性があります。
それならば、今回はG2とレベルが高い方のレースですし、2歳チャンピオンや桜花賞を狙っていた素質馬がこぞって出走してきて、例年のニュージーランドトロフィーよりもレベルが高くなっている今年ならシーウィザードの素質が開花する可能性も十分にあります。
ということで、例年よりもレベルが高くなっている今年のニュージーランドトロフィーは、レベルが高いほど走れる隠れた実績馬シーウィザードが、見事に勝利しNHKマイルへと歩みを進めてくれることに期待して応援したいと思います。