【マイラーズC予想2018】“開幕週は内枠先行馬が有利”は本当か?

今週末から京都競馬が開催。日曜メインを飾るのは1着馬に安田記念の優先出走権が付与される「マイラーズC」だ。

開幕週の京都はよく「内枠の先行馬を狙え」と言われるが、これはもともと京都競馬場のコースは内枠の先行馬に有利なレイアウトになっていることと、芝が綺麗な状態の開幕週ということが重なって余計に有利になりやすいという考えから生まれたセオリーや格言といったようなものである。

ただ、開幕週とは言え年始から2月までの開催も経ていることもあり、芝に全く傷みがないとは言い切れないのではないだろうか。今回は実際のレース結果から検証してみたいと思う。京都競馬場へ変更になった2012年以降の過去6年のデータをもとに、枠順と脚質の傾向を見てみよう。(マイラーズCの過去6年のデータ・傾向より引用)

枠番データ
枠番 成績
1枠 0-1-0-9
2枠 2-2-0-7
3枠 0-1-2-8
4枠 0-1-1-9
5枠 0-0-0-11
6枠 0-0-3-9
7枠 1-1-0-13
8枠 3-0-0-12
脚質データ
脚質 成績
逃げ 1-1-0-4
先行 3-0-3-14
差し 1-5-3-32
追い込み 1-0-0-28
マクリ 0-0-0-0

1~4枠と5~8枠に分けてみると、1~4枠が「2-5-3-33」で、5~8枠が「4-1-3-45」。勝率は外枠の方が高いが、連対率と複勝率は内枠の方が高い。馬券に絡むという意味では内枠が有利と言えそうだ。

脚質は「逃げ・先行」の方が「差し・追い込み」より勝率・連対率・複勝率全てにおいて勝っていることから、先行馬有利という傾向は確かに強く出ている。しかし、1~4枠で3着内に入った10頭の内訳を見てみると、「逃げ・先行」が4頭、「差し・追い込み」が6頭となっている。内枠に入った先行馬は必ず好走するわけではなく、むしろ差し馬の方が好走している。

開幕週ということで前残りと予想する方も多いと思うが、実際は中団より後ろからでも馬券に絡んでる馬が多いことは覚えておきたい。むしろ「前が残る」という予想する人が多ければ多いほどオッズに旨みがなくなるわけであるから、こういった先入観や格言を逆手に取った方が馬券的にはオイシイとも言える。

今年のマイラーズCはエアスピネルが断トツで人気を集めそうだが、前で競馬ができるという強みがある点も人気の理由の一つだろう。今回は逃げ馬が不在で、メンバー構成的にはロジクライの出方がカギになりそうだ。しかし、開幕週で顕著に高速馬場だとペースが上がり切らない可能性も高く、瞬発力勝負となる可能性も十分ある。そうなるとエアスピネルに絶対的な信頼を置くのも怖くなってくる。

「開幕週は内枠先行馬を狙え!」と豪語するにはやや頼りないデータのマイラーズC。見落としがちな差し・追い込み馬にも十分注意をしておく必要がありそうだ。