「名は体を表す」。名前はその物や人の性質や実体をよく表すものという意味だが、それは競走馬にも言えること。競走馬の場合は馬名だが、まずは初めて競馬に触れた時のことを思い出して欲しい。スポーツ紙、専門紙などでも、一番目立つように大きく書かれているのが馬名であり、名前の響きや気に入った名前というだけで馬券を買われた記憶のある方も大勢いることだろう。
歴代の名馬の中にも、おっと思わせる馬名が多い。もちろん、馬主さんが期待を込めて命名するわけで、当然と言えば当然かもしれないが、中でも際たるものが、「ディープインパクト」ではないだろうか。オーナーの金子真人氏が、この馬の瞳の輝きに衝撃を受け、また多くの人々に強い衝撃を与えるような馬になって欲しいという思いから名付けられたディープインパクトは、史上2頭目となる無敗での3冠馬となり、その後の活躍は周知のとおり。国内外の競馬ファンにその名の通り、深い衝撃を与える馬へと成長した。
その他にも、有名どころではクロフネか。外国産馬に日本ダービー出走が開放される年に合わせて、日本に開国を迫ったペリー率いるアメリカ軍艦にちなんで名付けられたあたり、しっかりと洒落も効いていて、素晴らしいセンスと感じた方も多いはず。さらに馬もその期待に応えて、着順こそ5着だったが、18頭の出走枠に入ったのだから、まさに名は体を表すを体現したと言えるだろう。
まだ1月とはいえ、競馬のサイクルは早い。春の足音をあっという間に訪れてくる。クラシックの大舞台に向けて、素晴らしいネーミングセンスの馬を探すのも一つの楽しみかもしれない。