21日の福島競馬場では古馬牝馬の中距離重賞・福島牝馬ステークス(G3)が開催される。毎年力が拮抗したメンバーが集まるため難しい一戦でもあるこのレース。過去の10年で10万馬券以上が4回という結果からも、波乱含みの一戦と言えるだろう。
コースは福島競馬場の芝1800mを使用。福島牝馬Sの過去10年のデータ・傾向でも記した通り、ローカルの小回りコースということで前が有利になりやすいという特徴がある。出走メンバーが中山牝馬Sとほぼ似たメンバー構成となっていることからも、同競走で逃げ切り勝ちを果たしたカワキタエンカが脚質的にも人気の中心となってきそうだ。
メンバーのレベル的には強敵と言えるような相手はいないが、前へ行きたい馬が多いのは気がかり。前走は騎手勢が重い馬場を懸念してか仕掛けは遅れ気味となり、前残りの展開になった。そんな中で積極的に逃げた池添騎手の策が見事に嵌ったが、先行勢が多い今回は同じように楽に行けるとは限らない。
仕掛けの早いロングスパート勝負となる可能性も?
福島の1800mは、ローカル小回り芝1800mの中では最も1コーナーまでの距離が長く(約305m)テンは早くなりがち。さらに、3〜4コーナーはスパイラルカーブとなっており、キツイ4コーナーに入る前の緩い3コーナーあたりから仕掛けが起こりやすい。中山牝馬Sの時と違い、仕掛けが早くなる可能性が高い。早めに動く展開、要は長く脚を使う展開になった時にどうかという点がカワキタエンカの取捨を考える上でのポイントとなりそうだ。
逆に、早く動く展開となった時にどの馬が来るかある程度目星をつけておきたいところだ。現在注目しているのは中山牝馬Sにも出走したブラックオニキスだ。
前走は中団の外から進め、向こう正面でも押し上げつつ4コーナーで外に持ち出してジリジリと伸びていくが5着までとなった。ジリジリでも最後までバテずに伸びていたことを考えると、ロングスパートでバテ差しが合いそうなブラックオニキスは早く動く展開なら向いてくるのではないだろうか。さらに、現在の福島は馬場の傾向が非常に読みづらいが、時計は掛かかっている。洋芝巧者で時計がかかるのは歓迎のブラックオニキスにとって好条件となる可能性は高い。
前が有利という傾向を考えるとこの馬もある程度前の位置にポジションを取りたいところだが、今年の2戦はまずまずのスタートで5番手につけている。前走では13番人気と低評価ながら5着と評判以上の走りを見せていることからも、侮れない一頭となりそうだ。