一週間の谷間を挟み今週からまたG1ウィークということで、ゴールデンウィークを控え出費が気になる時期になりました。今週の春の天皇賞は、生粋のステイヤーが減ってきたこと、また海外含め多様なローテーションが組めるようになったことなどが重なり、登録時点で早々とフルゲート割れ確定という残念な結果になりました。古馬の有力な牡馬にとって、春の天皇賞はパスして大阪杯から安田記念、宝塚記念というローテーションが王道となりつつあるのは時代の趨勢から仕方のないことなのかもしれません。潰し合いを避けるクラブ馬の使い分けなどもあり、昨年のキタサンブラックのようなローテーションで結果も伴う馬はなかなか出てこないんだろうなと、王者不在になった今年は改めて感じます。
タイトルの多くをキタサンブラックが持っていったため必然的に残された現役馬のG1勝ち星は少なくなりがちではありますが、今回はキタサンブラックの影響を受けなかった昨年・一昨年の菊花賞馬も出てこないということで、G1タイトルホルダーがシュヴァルグラン1頭となり大混戦の様相を呈する今回、注目したいのは藤岡佑介騎手騎乗のガンコです。父ナカヤマフェスタが古馬になってから成長を遂げたように、産駒のガンコもまた古馬になってから急成長を遂げており、条件戦で手間取っていたのが嘘のように今年に入ってから重賞含む2勝と快進撃は目を見張るものがあります。
藤岡騎手はクリンチャーの乗り替わりにより失ったかに思われた春の天皇賞への切符を地力で獲得。皮肉なことに人気の一角を担うクリンチャーは武豊騎手の騎乗停止により三浦騎手に乗り替わりとなりました。陣営としても乾坤一擲の大勝負を掛けていたであろうレースだけに、青写真が大きく崩れてしまったのではないでしょうか。
ここまで28戦して6勝のガンコですが、このコンビに限って言えば3戦全勝という最高のパートナー。前述の通りG1ホースが1頭のみで、そのシュヴァルグランも決して絶対的な存在ではありません。宝塚記念までいくと相手関係が強力になることが予想されるだけに、落馬負傷の経過も心配な弟・康太騎手に先を越されていた中央G1制覇というタイトルに追いつくに、今回こそが最大のチャンスでしょう。