現在は、競馬界のパイオニアと自他共に認める武豊騎手が現役の為、勝ち星はトップでなくても騎乗技術は天下一品。抜群のセンスは他の騎手を寄せ付けない。以前は武豊騎手が騎乗する馬はどう考えても馬の能力と釣り合わない、過剰人気になる事もしばしばだった。普通なら10倍位の馬が武豊騎手が騎乗すると単勝オッズが3倍前後になる事は珍しい事ではなかった。常人ならこんなにプレッシャーをかけられたら潰れてしまう。そこを涼しい顔で先頭ゴールインするのだから恐れ入る。
それでもいずれは武豊騎手も引退の時期がやってくる。その後誰が中央競馬のジョッキーのリーダー格になるのか?ここは若手から考えて見たい。先ずは、今年絶好のスタートを切った川田将雅騎手。関係者からの信頼も厚く、常に全力騎乗が持ち味。その全力さゆえに、豪快なフォームで馬を追う落馬するのではないかと言う位叩き合いになった時は激しいアクションで追う。競馬ファンにしてみたら、あそこまで追ってくれたのなら、不的中でも仕方がないと言う人も少なくない。今年は、リーディングが狙える年。そして既にリーディングジョッキーに輝いた事のある、浜中俊騎手。安定して年間100勝を最近では達成している。川田騎手が馬に対して当たりが強いジョッキーなら、浜中俊騎手は当たりの柔らかいジョッキーである。馬にはそれぞれ人間同様に性格がある。最終追い切りではビッシリ追われる。そしてレースに行けば馬は賢いので鞍上の仕掛けに反応する。そこに騎手と馬の信頼関係と相性がある。全ての馬と相性の良いジョッキー等いない。問題はこの相性の悪い馬をどう勝利にエスコート出来るかである。
昨年リーディングジョッキーに輝いた、戸崎圭太騎手は、相性の悪い馬でも勝たせてしまう。これは南関東時代1年間で約400勝していた経験から導かれたものである。相性の悪い馬を相性の良い馬に変えればいいのだ。残念ながら、武豊騎手の後継者の関東の若手ジョッキーはいない。川田将雅騎手か浜中俊騎手のこの2人がダブルエースになる可能性が高い。ライバルがいる事はどのスポーツでも選手の潜在能力を底上げさせる。ジョッキーも当然例外ではない。
あいつが出来るなら俺が出来ないはずはないと誰しもが思うもの。この2人は九州の出身。特に夏の小倉開催での浜中騎手の成績は鬼モードに突入する。リーディング争いの毎年本命だ。川田騎手は大舞台に強い。心臓が本当に強い。そして1度の失敗ではめげないのが良い所。2度目のチャンスはものにする勝負師。浜中騎手も大舞台で強い。テン乗りが非常に上手なジョッキーでもある。結論を書くと次世代のリーダーは川田騎手と浜中騎手ではないだろうか?