1月17日中山競馬場にて行われたGⅢ京成杯(3歳・芝2000m)は、道中5番手でレースを進めた5番人気プロフェット(牡3歳・池江泰寿厩舎・栗東)が最後の直線に入ると、粘りこみを図る先行各馬を一気に交わして抜け出し、共に伸びてきた7番人気ケルフロイデ(牡3・加藤征弘厩舎・美浦)に1・1/4馬身差をつけ優勝しました。勝ちタイム2分1秒4(良)。ケルフロイデからクビ差の3着には道中最後方から直線で猛追してきて2番人気メートルダール(牡3・戸田博文厩舎・美浦)が入りました。1番人気に支持されたウムブルフ(牡3・堀宣之厩舎・美浦)は好位追走から脚を伸ばしてきたが5着という結果に終わりました。
勝ったプロフェットは父ハービンジャー、母父タニノギムレットという血統で、通算成績は4戦2勝で重賞初制覇。池江泰寿調教師は昨年のベルーフに続く連覇となりました。鞍上のシェーン・フォーリー騎手は今月5日からの短期免許を初取得しJRAで騎乗を開始、JRA通算3勝目が嬉しい重賞初制覇となりました。
比較的緩やかな流れで進んでいった道中、うまくレースの流れに乗り好位置につけたプロフェットは直線に入ってから力強く伸びて抜け出し、危なげない完勝!今後の活躍を期待したいところですが、実際今年の京成杯のレベルは高かったのでしょうか?今年の京成杯のレベルについて考える時、比較対象としてピッタリなのは昨年暮れのホープフルステークス(2歳・中山芝2000m)だと思います。ホープフルステークスには昨年夏の時点でクラシック有力候補に名を挙げたロードクエストとアドマイヤエイカン、新馬から2連勝で挑む素質馬バティスティーニといった期待の大きい馬が揃ったレースです。
両レースともに前半62秒前後の緩やかな流れの上がり勝負の内容となりました。単純に勝ちタイムで比較してみると、今回の京成杯の方が0秒4早い決着となっています。レースの上がり時計についてはホープフルステークスが早くなっていて、特にラスト2ハロンで11秒5・11秒7という高い瞬発力勝負となっています。物凄い勢いで抜けてきたハートレーとロードクエストは上がり3ハロン34秒前半で走っています。プロフェットは上がり4ハロンから11秒台のラップを続けていたせいかラスト12秒台に落ちてしまい、ゴール前の印象としては前出の2頭には劣ってしまいますが、これは位置取り・脚質の違いのものであり、レースの流れに対する走りとしては互角と見ていいと思います。レースのレベルとしても印象としては京成杯が劣ってしまっても大して差はないと思います。
現段階でロードクエスト等のホープフルステークス組と同レベルのレースが出来るのであれば、プロフェットの今後の活躍に十分期待できると思います。プロフェットの祖母ビスクドールはトゥザヴィクトリーの全妹で、近親にはトゥザグローリー(日経賞GⅡ・京都記念GⅡ)トゥザワールド(弥生賞GⅡ)がいて成長力も見込めます。課題を挙げるとすれば高い瞬発力勝負になった時に対応できる脚があるかどうかだと思います。折り合いには問題なさそうなので、レースの流れにスムーズに乗り持続力を活かした競馬が身について来れば今後も重賞では目が離せない存在になりそうです。