今、名古屋競馬にちょっとしたニュースター候補がいる。名前は「サンデンバロン」。父は、トレーニングセールで1ハロン10秒54と破格の時計をマークし、6800万という高値で取引されたモルフェデスペクタ。美浦・大江原厩舎からデビューし、旧4歳時(現在の3歳)にバーデンバーデンC(芝1200)を快勝するも、その後は伸び悩み、通算19戦4勝で引退。母モルフェナンバーは園田でデビューし、通算14戦1勝。はっきり言って凡庸な成績に加えて母父ソングオブウインド、母系をいくら辿っても然したる活躍馬も見当たらない。
お世辞にもこんな血統が走るのか?と疑問を持ったファンは多いはず。POGでサンデンバロンを指名した人など、おそらく皆無だろう。しかし、そんな不安とは裏腹に、デビュー戦では5番人気と、まずまずの支持を集めての7着。2戦目は父が得意とした1200に移って、4番人気5着。未勝利脱出間近と思えたが、その後はすべて二ケタ着順と奮わず、中央競馬を抹消し、名古屋競馬へと転出。この成績ではどこに行っても…と思えるが、これが大きな転機となるのだから、やはり競馬はわからない。
名古屋競馬所属となったサンデンバロンは、転入初戦でいきなり後続に2秒3もの大差をつける圧倒的パフォーマンスを披露。その後も連勝街道は途切れることなく、5戦目となった冬牡丹特別では、後続に5秒2という途方もない着差をつけたのである。しかも、どのレースをほとんど追うところなしだけに、恐れ入るのひと言。賞金が安くなかなか上のクラスに上がらないために、この連勝街道はしばらく続くだろう。ちなみに次走は、1月22日(金)名古屋9レースの葉牡丹特別。まだ一度もレースを見たことがない方は、ぜひともチェックして欲しい。