今年乗れている騎手と言えば皆さん誰が思い浮かぶでしょうか。アーモンドアイで牝馬三冠を狙うルメール騎手か、あるいはスワーヴリチャードとのコンビが絶好調で昨年に引き続き年内G1をいくつ勝てるかも注目が集まるデムーロ騎手の2名がリーディングでは抜けた成績を出していますが、関東リーディングでは首位を死守し、エポカドーロの皐月賞制覇でクラシック初勝利を手にした戸崎騎手などもいます。
そんな中、リーディング上位のインパクトには敵わないかもしれませんが、今年の存在感という意味では藤岡佑介騎手の名前を私は挙げたいです。NHKマイルカップのケイアイノーテックで念願の中央G1初勝利も達成し、重賞勝ち星も例年にないペースで積み上げています。先週の騎乗馬では、青竜ステークスのスマハマが注目の1頭でしたが、最後の追い比べでグリムがしぶとく残り惜しくも2着に敗れてしまいまいた。来週の日本ダービーでは皐月賞2着のサンリヴァルの騎乗が控えているため、今週は再び勢いをつけておきたいところでしょう。
そういった意味でも注目なのが日曜京都10Rに組まれている鳳雛ステークスに出走するフィールシュパースです。2014年に開設された若いレースですがカゼノコやキョウエイギアが勝っており、ジャパンダートダービーへ直結する重要なレースとなっています。また、昨年勝ち馬のローズプリンスダムはレパードSを勝利し、勝ち馬以外からでもリアファルやアスカノロマンと言った重賞で活躍する馬を輩出する出世レースとなっています。
そして、このフィールシュパースのオーナーは、クリンチャーやキズナ、ワンアンドオンリーでお馴染みのノースヒルズです。クリンチャーの京都記念後の乗り替わりなどから、オーナーと藤岡騎手の間に囁かれていた確執も、こういった新しいコンビが組まれることからファンの杞憂であったということでしょう。
戦績を見ると4戦してまだ1勝と実績不足は否めませんが、プラタナス賞ではルヴァンスレーヴの3着、北海道2歳優駿ではドンフォルティスの2着と、世代上位相手に好勝負をしてきている馬です。今回は半年の休み明けになりますが、相手関係はこれまでよりも楽になるでしょう。同じくドンフォルティス、ルヴァンスレーヴを物差しとすると、前走・伏竜ステークスで好走したコマビショウも出走しますが、ブランクの関係で人気はフィールシュパースが劣ります。
クリンチャー降板の無念を晴らし、オーナーとの信頼関係を再び強固なものにできるかどうか、ぜひ藤岡騎手とフィールシュパースの走りにご注目ください。