いよいよ次週は日本ダービーが開催です。競馬に詳しくない人でも、レース名くらいは聞いたことがあると思います。日本の競馬で最も注目されるレースの1つですね。
ダービーを予想する上で欠かせないのが皐月賞組です。過去10年のダービーの勝ち馬10頭のうち、前走が皐月賞だった馬が8勝しており断トツの好成績を残しております(8-7-4-63)。過去のダービー馬には「ディープインパクト」や「トウカイテイオー」、「ナリタブライアン」といった名馬がおりますが、いずれも皐月賞を優勝した馬たちでした。
今年も皐月賞から11頭の馬がダービーに登録。上記で挙げた歴史的名馬のように、あからさまな強さで皐月賞を制してダービーへと駒を進めてきたなら本命馬を選ぶのもさぞかし楽ですが、今年は前残りで7番人気のエポカドーロが優勝するという波乱気味な決着となりました。
もちろん勝ち馬のエポカドーロも、前記事「皐月賞馬のエポカドーロ、過小評価は禁物か」で記したように、侮るのは禁物です。力が足りないとされている人気薄の馬でも先行すればなんとかなる場合もありますし、2013年のダービーで3着に入った8番人気のアポロソニックや、2014年に3着に入った12番人気のマイネルフロストなどの例もあります。
ただ、近年は皐月賞で最速の上がりをマークした馬がダービーも勝つという傾向もあります。昨年のダービーの勝ち馬レイデオロは皐月賞は上がり2位でしたが、その前はマカヒキ、ドゥラメンテ、ワンアンドオンリーと続いており、勝ち馬だけでなく2,3着も皐月賞で上がりが速かった馬の好走が目立ちます。
今年の皐月賞で上がり最速をマークしたのはステルヴィオ(4着)、キタノコマンドール(5着)、グレイル(6着)の3頭です。いずれも過去の戦歴を見れば、速い上がりを武器にしてきていることが分かります。
とくにキタノコマンドールはデビューからまだ3戦とキャリアが浅いですが、その3戦全てで最速の上がりをマークするという切れ味の持ち主です。これまでの3戦を振り返ってみると、新馬戦は1000メートルが65秒8と超がつくほどのスローペースで、逃げた馬ですら34秒を切る上がりタイムをマークする前残りの展開でした。最後は少し内にモタれましたが、好位から長くいい脚を使って差し切る強い競馬を披露してくれました。
続く2戦目のすみれSでは、道中最後方追走から4コーナーで一気に捲っての完勝でした。このあたりから「末脚は一線級」と評価する声もチラホラと聞こえてくるようになりました。話題のDMMバヌーシーの馬であることや、映画監督でタレントの北野武(ビートたけし)氏が命名したこともあり、一躍話題となりました。
そして3戦目となった前走の皐月賞は初の重賞でG1といきなりの大舞台でしたが、当日は3番人気に推されるほどの人気ぶり。結果は5着と掲示板止まりでしたが、前残りという向かない展開での5着なら、結果は残せなかったもののダービーでも十分期待できる内容だったと言えるでしょう。
これまで驚異的な末脚で好走してきた同馬ですが、いずれも向かない展開の中でのものだったのも事実。本来の武器である末脚が存分に発揮できるような展開となれば、これまで見せたことのない高いパフォーマンスを披露してくれるのではないかと期待感も高まります。
いずれにせよ、直線が延びる府中でその威力はさらに増しそうです。近年のダービーの勝ち馬の傾向通りになるならば、皐月賞組のキタノコマンドールの戴冠の可能性は十分考えられることでしょう。