2歳新馬戦においては、昔ならば大物の始動は秋以降という傾向があったものの、最近では6月からデビューさせていくのがトレンドとなっています。セレクトセールへのアピールのためといった大人の事情を抜きにしても、ダービーへの優先出走権が青葉賞は減らされたのに対し皐月賞が増やされたことなど、収得賞金の早めの確保が求められる時代になったということかもしれません。
今年のダービーに勝ち馬ワグネリアンと4着入着のエタリオウを出走させた栗東・友道厩舎に、父キングカメハメハ、母ヴィルシーナの2歳牡馬ブラヴァスが入厩しました。母ヴィルシーナで名前に「ヴ」がつくということから勘の良い方には推察されるかもしれませんが、オーナーは大魔神・佐々木主浩氏になります。
デビュー時期もすでに発表されており、7月8日にワグネリアンと同じく中京芝2000mを予定しているとのこと。佐々木オーナーと言えば、昨年は福永騎手のヴィブロス降板など不仲説が噂されましたが、宝塚記念でコンビ復活ということで氷解したかと思われます。しかし、ブラヴァスの鞍上は福永騎手ではなく武豊騎手を想定とのこと。
武豊騎手とアドマイヤの近藤オーナーの間の溝の深さはよく知られた話ですが、近藤オーナーと縁の深い佐々木オーナーだけに意識して武豊騎手の騎乗は避けられていたと考えられていただけに、今回デビュー戦からの騎乗依頼というのは良血馬だけに各方面に良い意味で波紋をもたらしてくれる可能性もあります。
アドマイヤリードのヴィクトリアマイル優勝で長い冬の時代を乗り越えたアドマイヤ軍団。蜜月の頃には戻れないでしょうが、新たな展開を見せてくれるのか?ブラヴァスのデビュー同様注目していきたいですね。