福島競馬の開幕を飾る重賞は「ラジオ日経賞」です。3歳限定のハンデ重賞という条件に加え、クラシック路線に出れなかった馬が例年混戦ムードを漂わせる難解な一戦です。
「残念ダービー」という呼ばれ方をされることもありますが、近年は昨年のフェーングロッテンや2020年のバビットなど、その後重賞戦線でも活躍する馬が出走してきており、出走馬の実力も上がってきた印象もあります。
今年も重賞を走ってきた馬に加え、近走で好成績を挙げている馬も多く、馬柱だけ見ても例年以上に実力のある好メンバーが出走してきたようです。
そんな中で注目しているのは、リアルスティール産駒の牝馬アグラシアドです。これまでのレースで特に評価したいのが、前走のスイートピーステークス。上り最速33秒1の末脚を出し、同じく同レースに出走するウヴァロヴァイトの3着に入線。外目から伸び伸びと不利もなく差し切ったウヴァロヴァイトに対し、アグラシアドは囲まれ動けずの競馬。直線向いても馬群に囲まれ、追い出せない状況から少しずつ進路を探しながら残り200mでようやく前が開いて、追い出すも届かずという内容でした。
ここで評価したいのはしっかりと我慢を利かせる競馬が出来たという点。力と脚をためて追い出した残り200mで繰り出した末脚は、不利さえなければという勢いでした。勝った2勝は中山と小倉で、やはり立ち回りがうまく小回りコースとの相性は良さそうです。54kgとハンデも軽量で、恩恵も十分。
牝馬の優勝は30年前のシンコウラブリイまでさかのぼらないとない牝馬にとっては鬼門なレースですが、前走で魅力的な走りを見せてくれたアグラシアドと津村騎手とのコンビであれば、31年ぶりの牝馬勝利も夢ではないはず。
ということで今年のラジオNIKKEI賞は、アグラシアドと津村騎手とのコンビがシンコウラブリイ以来31年ぶりの牝馬勝利を果たしてくれることに期待して応援したいと思います。