今週の日曜日、阪神競馬場では菊花賞トライアルの「神戸新聞杯」が行われます。神戸新聞杯を勝利して賞金を稼いでも、距離を不安視して菊花賞を逃げてしまう陣営も多くなっていますが、過去10年の勝馬のうち、菊花賞を制した馬が3頭、3着が2頭とやはり最重要のトライアルでありステップレースであることがわかります。
今年は13頭の出走馬が菊花賞出走に向けて参戦。その中で注目しているのは、グレーターロンドン産駒のナイトインロンドンです。
ナイトインロンドンは、現在3連勝中で前走は古馬との混合の札幌2600mの阿寒湖特別を勝利しています。少し前なら菊花賞向きの馬の王道路線のような北海道競馬2600mを勝って神戸新聞杯に挑戦という戦績になりますが、デビュー時は17頭立て11番人気だった馬が2戦目2着の後、3連勝ですから、これは相当な素質があったからでしょうし、この戦績も春にはクラシックに出れなかった馬の菊花賞向きの戦績と言えそうです。
父グレーターロンドンの産駒のファーストクロップとなりますが、小倉2歳を勝ったロンドンプランやエルフィンステークスを勝ったユリーシャなどの活躍馬を見ると、お父さん同様にマイルより短い距離での活躍が期待されそうな産駒の性質と思われますが、そんな中から菊花賞を目指すような馬が登場するのですから競馬の血統の世界も奥が深いと言えます。とは言え、母父がメジロマックイーンとなれば、そのことも納得かもしれません。デビュー戦が2000mで、2戦目以降は2400m以上のレースばかり使われていることからも、厩舎側馬主さんらナイトインロンドンの関係者の見る目が正しいことが証明されたとも言えそうです。
近年は、菊花賞向きの馬もスピード重視の競馬が主流ということもあり、なかなかここで出走権が獲れないことの方が多いようですが、ナイトインロンドンはスタミナだけでなく上り最速をここ4戦連続で出しているだけに、チャンスは十分にありそうです。鞍上の和田騎手とは2戦2勝と相性はいいですし、あの凱旋門賞にも挑戦して春の天皇賞をディープボンドで3年連続2着と長距離も得意な騎手ですから、より期待も高まります。
ということで神戸新聞杯は、菊花賞向きの戦績と菊花賞向きの血統であるナイトインロンドンが菊花賞に名乗り出て欲しい気持ちを込めて応援したいと思います。