このレースなんと言っても注目を集めたのはデビューから1度も複圏内を外していない【ビックアーサー】がどの様な競馬を見せるか鞍上も今回からデムーロ騎手を迎え、新コンビで華々しく重賞初Vを目論んだのだが・・・。競馬と言うのは本当に奥が深い。
一見【ビックアーサー】の鞍上交代は鞍上強化の様にうつる。しかし、初騎乗と言うのはどんなに騎乗技術が巧みなジョッキーでも最初は手の内に全ては入っていない。調教で1回跨って、感触を掴む事が出来る超一流ジョッキーでも合わない馬とはとことん合わない。
今回デムーロ騎手は後方待機策を選択した。陣営の指示は特にないだろう。しかし、この決断が今回は失敗だった。逃げを打った上がり馬【ローレルベローチェ】が前半の3ハロンを33.7で通過。このメンバーにしては緩い。後ろの馬には少し厳しい流れになった。
それでも【ビックアーサー】の連勝時の走りを知っている人にはちょうど良いハンデ位に思っていたかも知れない。しかし、今回はそうは問屋が卸さなかった。
【ビックアーサー】に追い込み競馬は向いていない。ある程度前で競馬をして、逃げ馬を潰し、自力で勝利をもぎ取るスタイルが1番合っている。この馬の事を一番良く知っているのは藤岡康太騎手。今回は後方待機策と言っても同中の位置取りは9番手。ただなにかが違う。レースを見ていて思ったのだが、今回は何かが違う。言葉では上手く表せないのがもどかしいが、直線を向いたときに勝負アリ。あの位置からは届かない。そして後ろからズドンは、この馬には向いていない。
勝った【ダンスディレクター】は、好位から、早めに抜け出し、逃げる【ローレルベローチェ】を捉え後はゴールを目指すのみ。見事押し切り完勝。2着は【ローレルベローチェ】が粘り連体は果たした。3着はなだれ込むように11番人気の伏兵馬【ワキノブレイブ】が入選。大混戦の3着争いをハナ差確保した。
【ダンスディレクター】は意外にも重賞の勝利はこれが初。本番の高松宮記念が楽しみなった。一方【ビックアーサー】は追試をしなければならない。そこで、デムーロで押し通すのか?藤岡康太騎手に戻すのか?調教師としての采配に大きな注目が集まる。