秋のG1戦線の中休みということで、今週はG1が組まれていません。しかし、日曜日に東京で名物ハンデ重賞、G2「アルゼンチン共和国杯」が開催。頭数が揃うことが多く、今年は昨年に続きフルゲート18頭立てで、より面白いレースになりそうです。
アルゼンチン共和国杯で注目しているのは、ディープインパクト産駒の4歳牡馬、アーティットです。アーティットはデビュー戦から5戦連続で1番人気になるほどの期待馬でしたが、クラシックは出走できず、4歳となった3走前の大阪-ハンブルクカップで格上挑戦し、快勝してオープン入りしました。その後、G2の目黒記念で10着、そして前走のオープンのケフェウスステークスで4着を経て、アルゼンチン共和国杯に挑戦してきました。まだオープンで結果は出ていませんが、初重賞だった目黒記念の10着は勝馬ヒートオンビートと0.7秒差と、そこまで差はありませんでした。また、当時斤量差が1kgだったのが2kg差になったことで、まだ4歳のアーティットが成長しているなら、さらに差は縮まることでしょう。
今回のメンバーを見てみますと、逃げはアフリカンゴールドかテーオーロイヤルになりそうで、1番手と2番手は両馬で決まりそうです。その後の3番手になりそうな馬を探した時、案外先行馬が少なく、アーティットが3番手に行きそうな気配は十分あります。この3番手の位置取りというのが、実はかなり重要で、過去10年のアルゼンチン共和国杯を見てみると、道中3番手だった馬が実に5頭も勝利しています。ここ4年連続で3番手の馬が勝っており、近年のトレンドと言えるでしょう。
スローペースになりがちなレースで直線が長いので、逃げ馬よりもその直後あたりを走っている3番手の馬に展開が向くのでしょう。
また、勝った5頭の年齢は、4歳馬が3頭、3歳馬と5歳馬が1頭ずつで、4歳馬が優勢。4歳馬のアーティットには年齢的な傾向にもぴったり合っています。さらに、今回初コンビとなる菅原明良騎手は、11月1日現在で全国リーディング11位で60勝していますが、そのうちの28勝も東京競馬場で挙げているように、かなり東京競馬場を得意としています。アーティットにとっては、かなり心強い相棒となりそうです。
ということで、アルゼンチン共和国杯は、位置取り3番手争いの中で3番手になりそうなアーティットが、過去10年で一番勝っている位置取りから抜け出して初重賞制覇を果たしてくれることに期待して応援したいと思っています。