ここまで2戦2勝とまだ底を見せていないフィエールマン。レースセンスには光るものがあり、クラシックに参戦していても好勝負になったかもしれない期待感のある1頭だ。今回が重賞初挑戦にして1番人気が予想されるが、ポテンシャルは高く逆らわないほうがいいだろう。
1つ上の半姉ルヴォワールも素質馬だが、故障により戦線離脱しており、3つ上の全姉リュナティクは未出走のまま繁殖入りしているように、体質の不安のある血統なのかもしれないが、兄弟馬全てを預かる手塚調教師にしてみればその辺りは既に織り込み済みのことだろう。フィエールマンはしっかりとここを目標に無理なくじっくり乗り込まれており、前走から更に大幅に良化している。
2戦2勝でキャリアは同世代の中でも浅いが、貫禄で言えば3歳限定戦の他馬には負けていない。父ディープインパクト譲りの高速エンジンが炸裂すれば勝ち負けは勿論、まとめて料理するだけの力はあるだろう。鞍上はラッキーライラックや、ダービーでも穴馬コズミックフォースを3着に持ってくるなど今年非常に頼もしい石橋脩騎手が務める。
まだまだ能力だけで走っている感じはするが、見ていて非常に楽しみが多い馬でもある。新馬戦と見比べてみると山藤賞での勝ち方はさらに良くなっており、順調に成長し芯がしっかり出来上がれば将来的にG1も見える逸材だろう。厩舎からの期待も厚く、秋に備えてしっかり勝っておきたいレースでもある。気性が素直で長く脚の使える馬なので多少の出遅れは問題にならないところも魅力だ。
さらなる飛躍を目指すためにも、ここで一気に知名度を上げる勝利が欲しい。