栗東・松永幹夫厩舎所属のロイカバードが今週のきさらぎ賞(G3)に出走する。現在の戦績は3戦2勝、2着1回の綺麗な成績でレースぶりも派手さはないが、キッチリと勝ち上がってくるあたりはやはり能力の高さを感じさせる。
ロイカバードは超が付く良血馬として、2013年のセレクトセールで2億4000万で落札された馬。父・ディープインパクトは説明不要のクラシック3冠を含むG1・7勝を達成した名馬であり、母のアゼリはアメリカのG1を11勝した名牝である。血統的には、この価格でも安いという見方をする人もいるぐらいだ。
大きな期待を背負ったロイカバードは、昨年の新馬戦でデビューすると初戦は2着。勝ち馬は今年のクラシック候補生の呼び声が高いサトノダイヤモンドだった。続く、未勝利戦でキッチリと勝ち上がると、年明け初戦となった福寿草特別でも中団からの差し切り勝ちを収めた。
この馬の良いところは、道中、余分なことをしないところ。折り合いも付くため、直線までスタミナを温存しておくことができるタイプだ。レースセンスも高く能力は高いとみる。
ただし、今週のきさらぎ賞を含め、ここからは、馬のレベルも段違いに上がってくる。個人的には、過去3戦の内容ではクラシックは厳しいという見方を現時点ではしている。激戦のクラシックの栄冠を手にするには、レースセンスだけではなく、G1の厳しいペースを跳ねのける底力というものが必要になる。
現時点でのロイカバードには、そのような底力が、どうも感じられない。やっぱり、デビュー戦のサトノダイヤモンドに2馬身半、千切られたことがまだ頭に残っているのだろう。あれから約3ヶ月。今レースではメイクデビューで子ども扱いされたサトノダイヤモンドとの再戦が早くも実現。
きさらぎ賞に関しては、勝とうが負けようがサトノダイヤモンドを焦らす競馬ができれば、まだまだ、その先も見限ることはできないだろう。注目してみたい。