今週の中山メインはG2「アメリカジョッキークラブカップ」が開催。中長距離G1路線のステップレースということで注目の高い一戦だ。初オープンでも好調馬が今後重賞路線で活躍する登竜門的なレースとなっている。
今年のアメリカジョッキークラブカップは12頭の少ない頭数となっているが、その中で注目すべき馬は、ロードカナロア産駒の7歳牡馬、クロミナンスだ。
前走で3勝クラスを制して初のオープン入りを果たし、重賞初挑戦となる。今年で7歳となるクロミナンスだが、これまでの10戦という少ないレース数ながら4度も骨折を経験し、1年間に最大でも3戦しか走れなかった。それでも新馬戦から4戦連続で1番人気に支持されるなど、その素質と期待が高かったことがうかがえる。7歳馬としては遅咲きとも思われるが、その背景には休み休みの競走という厩舎のご苦労があったことだろう。消耗が少ないぶん馬はまだまだ若く、7歳という年齢で割り引くのはもったいない。
前走の3勝クラス、ノベンバーステークスではハナ差と僅差の勝利だったが、中団追走から直線は外へ出されて上がり3F最速の32秒6の脚で伸びて快勝と、鋭い決め手を見せてきた。スローペースの前残りの展開を差し切っており、着差以上に強い内容だったと言えよう。
今回はリーディングジョッキーであるルメール騎手が約3年ぶりに騎乗。これまでのコンビ3戦3勝と好成績で、そのうち2戦を中山コースで勝っている点も好感が持てる。
約2ヶ月間隔はあいているが、除外となってしまった中山金杯を予定していた馬であり、早い段階で仕上げられていた。最終追い切りでも美浦ウッドで5ハロン65秒6-ラスト11秒4をマークとしまいの脚は健在だ。
前走強い勝ちっぷりでオープン入り達成と弾みも付いており、臨戦態勢も良い。好相性のルメール騎手、決め手上位、状態良好、勢い十分と好条件が揃っているここは、激走の期待十分と見て有力視したい。