2016年2月7日(日)東京新聞杯では、スマートレイアーがハナを叩いて積極的な競馬で、骨っぽいメンバーの牡馬達を一蹴した。この日の、スマートレイアーは、いつもの後方からの競馬は選択せずに、ゲートを出てすぐに押していった。鞍上の吉田隼人騎手の腹をくくったかのような戦法は実に見事だった。前半3Fが36秒台と、この馬にとっても競馬をしやすかったペースであり、何もかもが上手くいった印象である。
この馬の場合は、後方からの切れ味がセールスポイントであったが、昨年の米子ステークス(OP)で初めて先行スタイルで競馬をして快勝した過去がある。戦法に幅が広がり、どのようなペースの競馬にも対応できるようになったのが、昨年の夏あたりからの成績の安定の要因ではないだろうか。恐らく、この日のペースでは、いつものように後ろからいったのでは、届かなかっただろう。今後も自在性という武器を手に入れたスマートレイアーに注目してみたいものである。
2着のエキストラエンドもやはり、叩き2戦目はよく走る。これで休み明け2戦目は、【2-2-0-0】である。今後もこのクラスのマイル戦であれば注目の存在だ。
3着のマイネルアウラートは、スローペースの2番手からの3着粘り込みであり、正直、展開利を生かしての馬券圏内入着という感じである。この馬は、前目に取り付いての直線粘り込みが武器なだけに、今後も、OP~G3クラスでスローペースになれば、穴をあける可能性もあるので、名前だけは覚えておいて損はないだろう。
4着・ダノンプラチナは今回も着順以上の強さを見せつけた印象がある。古馬マイル重賞としては遅いペースの中、まさかの出遅れ。道中は後方3番手からレースを進めざるを得なかったが、直線では見事な末脚で差を詰めてきた。次走以降も、もちろん注目したい1頭である。
そして、個人的に次走以降に最も注目したいのがトーセンスターダム。ゲートの出遅れのお手本となるようなスタートを決めてくれた。あれだけ出遅れたら、もうその時点でレースは終了。ダノンプラチナよりも更にひどいスタートであったが、トーセンスターダムは直線で上がり最速タイの32.8の末脚で、勝ったスマートレイアーから0.5差のところまで差をつめてきた。着順は9着だが、能力の高さは十分に伝わった競馬であり、スタートを無事に決めるようなら、まだまだ、このクラスでもやれそうだ。
その他では、6着・ダイワリベラル、10着・グランシルクは、東京での実績が乏しく、今回の着順は致し方なかったかなと感じる内容。3月以降の春の中山マイル戦のレースに出走してきたら、注目してみたい2頭である。
1番人気に推された、注目の4歳馬・ダッシングブレイズの落馬は残念の一言。浜中騎手は次世代のエースと期待されているため、ケガを完治させて、またターフに帰ってきてほしい。