京都の土曜メインは「京都新聞杯」が開催。ダービートライアルではないが、賞金がほしい馬はここで何とか好走して切符を手にしたいところ。
今年もアザレア賞・1着のインザモーメント、毎日杯・3着のベラジオボンドなど好メンバーが揃ったが、中でも注目したいのが中京2200mのデビュー戦を圧勝したオールセインツだ。
道中は4番手の好位から追走し、後ろの馬が上がっていくのを見送り、直線は再び上がり3F最速34秒2の脚で伸びて、ゴール前で押し切りをはかるアスクカムオンモアを交わして快勝した。1000m通過63秒5のスローペースで、道中は13秒台が続く完全な前残りという展開。さらにこの日は上がりがなかなか出ない馬場で、金鯱賞でも勝馬プログノーシスが34秒3だった。中京最長の2200mで内前が止まらない馬場を初出走ながら34秒2をマークし、ただ1頭後ろから伸びての差し切り勝ちは強い内容と言って良いだろう。
少々ズブいところがある馬で、かなり早い段階からムチを何度も入れてやっと伸びていったのが印象的だった。ペースが上がっていった時にも伸びていけるかどうかだが、長く追える京都の外回りに替わるのはプラス。幸い枠も2枠3番と内目を引けたので、鞍上が岩田康誠騎手ならコーナーでうまくポジション差を覆してくれるのではないだろうか。
一見目立った勝ちっぷりには見えないが、深堀ればこの馬の真の強さが見えてくる。血統馬らしく潜在能力が高そうで、キャリア1戦でも侮らない方が良い。前走手綱を握った亡き藤岡康太騎手の意思を引き継ぎ、岩田康誠騎手がダービーへと駒を進めてくれるだろう。切符を手にするには2・3着では足りず、1着が必須条件のここは高い本気度を持って望むはず。勝ちに行く競馬を見せてくれるはずだ。