東京競馬の日曜メインは上半期のマイル王者決定戦「安田記念」が開催。今年は香港の最強馬ロマンチックウォリアーをはじめ、2023年のマイルCSの覇者ナミュールや2022年のマイルCSの覇者セリフォスなどG1馬が6頭と好メンバーが揃った。
先週の日本ダービーは9番人気のダノンデサイル、3週前のヴィクトリアマイルでは14番人気のテンハッピーローズが優勝するなど、今春の東京は波乱続きだ。週中・週末は雨が続いており、波乱の気配十分。
伏兵の台頭も十分にありえる一戦ということで、今回狙ってみたいのは妙味たっぷりな1頭ステラヴェローチェだ。
2021年の神戸新聞杯を制して以降勝ち星から遠ざかっていたが、今年初戦の大阪城Sを好位から抜け出して叩き合いを制しての快勝と、強い勝ちっぷりで久々に勝利の美酒を味わった。中3週で臨んだ前走の大阪杯では控えて直線は外から追い上げて勝馬と0秒1差の4着とハイレベルなG1戦でも善戦した。
屈腱炎のため、2022年のドバイシーマクラシック・99着後から約1年7ヶ月もの長期にわたって戦線離脱を余儀なくされ、ようやく復帰を果たした昨年初戦の富士Sでは7着、続く武蔵野Sは16着と復帰後も本来の走りが出来ずにいた。陣営の懸命な調整の甲斐もあり、走りに素軽さが戻ってきた。近2走の走りを振り返れば本調子を取り戻してきたとみていいだろう。
近走の上昇度も魅力だが、さらに魅力なのは同馬の重馬場適性の高さだ。2020年は不良馬場のサウジアラビアRCを上がり最速の脚で3馬身突き放して圧勝、雨の不良馬場で開催された2021年の神戸新聞杯は上がり3F最速の脚で差し切って快勝するなど、渋った馬場でも安定した速い上がりを使える馬だ。枠も外目の7枠とこの馬の後方まくりの競馬を考えれば好枠に入ったと言えそうで、長い直線の東京コースならしぶとく伸びてくれるはずだ。
距離は中距離タイプという印象があるが、現在のマイル戦線のレベルはそこまで高いというわけでもなく、雨や枠のアドバンテージがある今回は十分に勝ち負けを演じられる条件が揃っていると見る。
最年長ダービージョッキー・横山典弘騎手の好騎乗にも期待して、有力視してみたい。