土曜の京都メインは宝塚記念の前哨戦「鳴尾記念」が開催。阪神で開催されてきた同レースだったが、開催時期が度々替わり、中京での開催もあったりと傾向が読みにくいレースでもある。今年は京都での開催ということでいっそう予想が難解となりそうだ。
今年もどの馬からも狙いたくなるような混戦メンバーだが、今回有力視したいのはマイラーズC・15着から巻き返しを狙うアリストテレスだ。
あの無敗の三冠馬となったコントレイルと同期であり、3歳時にはコントレイルの三冠レースの中で一番危なかった菊花賞でクビ差まで追い詰めた実力馬だ。ところが、4歳時にAJCCを制した後は不振に陥り、その後は約3年間で15戦して一度も勝てていない状況だ。ほとんどG1かG2とレベルの高い重賞を使われていたとは言え、馬券圏内は京都大賞典の2着があるだけで、掲示板にもその京都記念の他には4着が一回のみ、二桁着順が7回と結果は出せていない。
復調気配を見せたのは2走前の大阪城Sで、ここでは4ヶ月の休み明けで馬体重プラス22kgという中で、上がり3F最速の脚で0秒4差の6着まで伸びてきた。リステッドとはいえ、中距離重賞路線で活躍している馬が多数出走した中でのこの競馬ができたのは評価したい。
さらに今年は京都開催という点が魅力。前走は京都でもマイルが合わなかった印象で、2000mの若駒S・2着や3000mの菊花賞で2着といった実績があるように、長い距離でパフォーマンスを発揮するタイプ。前走から2Fの距離延長はプラスに働く可能性が高い。2走前は1800m、前走は1600mと距離を短縮してきたのはここで一気にパフォーマンスを上げる布石とも捉えられそうで、メンバーレベルが落ちて適距離に近い条件で走れる今回は復活の狼煙をあげてくれそうな気配十分だ。
鞍上は先週日本ダービーで9番人気のダノンデサイルを持ってきた横山典弘騎手ということで、連続好騎乗にも期待したい。
過去10年のデータと傾向でも記されているように、同レースは「6~9番人気」は3着内が6回と多く、このあたりの人気薄が穴馬選びの基準となる。競馬メディアや専門誌の前評判を見るとアリストテレスはまさにここに当てはまりそうな伏兵馬となっており、狙い目としてはドンピシャな1頭と言えそうだ。完全復活に期待し、ここは狙ってみたい。