まだ菊花賞に秋華賞といった3歳タイトルを残している状況で少し気が早いかもしれませんが、来年のクラシックを占う意味でも注目をしておきたい夏のメイクデビュー。また、新種牡馬のお披露目としても目が離せません。既に実績のある馬にとっては影響も少ないかもしれませんが、早めに勝ち上がる産駒を出すことができれば、セールでの売れ行きや種付けの指名にダイレクトに直結してきます。特に輸入種牡馬にとっては日本の馬場に対する適性を示すというのは非常に大きなファクターとなります。
今回取り上げるのは、そんな輸入種牡馬の中でも苦しい船出となっている芦毛の新種牡馬ダンカークです。父はアンブライドルズソング、母の父はA.P.インディと日本ではやや傍流になりつつある血統かもしれませんが、2010年にアメリカで種牡馬入りし、G1シャンパンステークスを制したハヴァナを輩出するなど活躍を見せました。
2013年には北米の新種牡馬チャンピオンにも輝いた実績もあるなか日本に導入されることとなり、供用初年度の2015年から多くの繁殖を集め、今年の2歳馬が内国産としてデビューの年となります。
華々しい成績で日本に移籍されたダンカークですが、現状では前述のように劣勢に立たされています。今年デビューの新種牡馬と比べると種付け数で劣るパドトロワやダノンバラードなどが産駒初勝利を達成する中、未だ勝利を挙げられていないのは不本意と言えるでしょう。持込馬である3歳馬タッチアコードが今年未勝利戦で勝利を挙げたのが唯一の勝ち星となっています。
そんな逆境の中でもダンカーク産駒はセールで人気を保っており、新馬戦で2,3着入線をしている馬も何頭か出ていますので、少し時間は掛かるかもしれませんがまだ期待はできそうです。今後デビューする産駒も含め、長い目で応援したい種牡馬ですね。