2016年2月14日(日)開催の共同通信杯(G3)は、幾多のクラシックホースを輩出しているレースだが、今年もまた楽しみな馬の1頭が出走する。2戦2勝で、昨年のホープフルステークス(G2)を勝ったハートレーだ。
ハートレーは、父・ディープインパクトに、母が、アメリカでのG1勝ちがある、ウィキッドリーパーフェクトという血統。昨年の東京芝2000メートルの新馬戦を、良質な切れ味で快勝すると、続く2戦目でいきなりの重賞・ホープフルステークスに挑戦。
このレース、戦前に注目されていたのが、新潟2歳ステークス(G3)を圧勝して、年末まで充電していたロードクエストと、新馬・黄菊賞(500万)を、桁違いの末脚で快勝してきたバティスティーニだった。
ハートレーも高い素質は十分認められていたが、この時点では、所詮1戦1勝の馬である。ファンもその点を考慮したのか、オッズは、有力馬2頭から離れた3番人気だったが、そんな低評価を嘲笑うかのごとく、この日のハートレーの競馬は強かった。
レースは、スタートで少し後手を踏んだが、中団でしっかりと折り合いがつき、そのまま直線に入ると、後方から追い上げてきたロードクエストを振り切り2戦目での重賞制覇をやってのけた。経験が明らかに少ないハートレーにとっては、この勝利は非常に価値があるものである。
共同通信杯が3戦目となるが、まだまだ上積みが見込める馬だ。課題としては、前2走もそうだったが、若干ゲートが他の馬と比べて遅いところであるが、この辺りも、そこまで大げさに気にするあたりのスタートではないと感じる。
道中は、悪さをすることなくしっかりと折り合いがつくのも、この馬の良いところである。傑出した、セールスポイントは現時点では見当たらないが、レースにいっての瞬発力と基本能力の高さは、やはり確かなものである。
デビュー戦が、前半1000メートル・64.8、ホープフルステークスが、前半62.1と一戦ごとににペースが上がっての競馬をクリアしているのもお見事。今週の共同通信杯も目が離せないレースである。