東京の土曜8Rは暮れの大障害を占う前哨戦のひとつ「東京ジャンプステークス」が開催。コーナーの通過数もそれほど多くなく、終盤は障害物が少ないという特徴から飛越技術よりは純粋な脚力が問われやすい一戦としても知られる一戦だ。
そんな中で有力視したいのはロードカナロア産駒の6歳セン馬のヴェイルネビュラだ。
2020年8月に新潟の芝1800mでデビュー。単勝オッズ1.5倍というダントツ人気に推され、デビュー前から人気と期待を集めていた馬であった。デビュー3戦目にはリステッドのジュニアカップを快勝。続くNHKマイルにも出走したが、その後は全く結果が出ず。5歳になる前にセン馬になったが結果が出ず、5歳秋に障害へ転身した。
ただ、転身後は3戦2勝の好成績で、重賞初挑戦となるここまではスムーズに駒を進めてきた。障害に転身してようやく素質が開花してきた感があり、飛越も非常に上手い。未勝利と前走のオープンの2勝はいずれも道中はしっかりと脚を溜めて抜け出して快勝する横綱相撲の内容で、センスは高い。
2走前の障害オープンは惜しくも2着だったが、勝ち馬は今回出走しているブラックボイスという有力馬。現在3連勝中と波に乗る素質馬で、春麗ジャンプSでは中山グランドジャンプ・2着のジューンベロシティを降して勝ちきっており、重賞級の馬であることは明白だ。そのブラックボイスを相手に肉薄したヴェイルネビュラも、同様に重賞級の能力を秘めていると言って良いだろう。
実際、前走の障害オープン戦は福島2750mを2分57秒2のレコードタイムで勝利、上がり3Fも36秒3秒としまいの脚も秀逸だ。障害重賞初挑戦、初の東京、初の3000m以上、乗り代わりと乗り越える壁は多いが、勝ち負けできる可能性は十分にあると見て、有力視したい。