今週の日曜日、札幌競馬場でサマースプリントシリーズ第5戦となるキーンランドカップが開催されます。サトノレーヴとビッグシーザーの2頭がメンバーの中ではシリーズポイントが上位だが、このレースで勝利すれば他の馬にもシリーズ制覇のチャンスが広がるため、サマーシリーズの行方を占う上でも見逃せない一戦となる。
今年のメンバーの中で特に注目しているのは、エイシンヒカリ産駒の5歳牡馬・エイシンスポッターだ。逃げ馬エイシンヒカリの父とは対照的に、鋭い差し追い込みを武器としている追い込み馬だ。これまで21戦で、上がり3ハロン最速10回と末脚は堅実で、スプリンターズステークスへの出走経験や1200mの重賞での上位入線も複数回ありと実績も十分。
重賞は未だ未勝利だが、展開に左右されやすい追い込み馬の宿命とも言える。切れ味ある末脚を活かす展開さえ整えば十分に勝利を狙える実力を持っている馬ではあると見ており、今回はその絶好のチャンスであると考える。
まず、鞍上には香港の名手J.モレイラ騎手が起用。モレイラ騎手の実績は多くの競馬ファンが知るところだが、特に札幌競馬場との相性は抜群だ。これまで札幌の芝コースでの成績は、勝率29.6%、連対率45.8%と驚異的で、今回同じレースに騎乗するルメール騎手や川田騎手を上回る数字を残している。初騎乗の馬であっても、モレイラ騎手なら問題なくエイシンスポッターの力を引き出してくれることだろう。
さらに、エイシンスポッターは斤量57kgでの実績が優秀だ。これまで58kgを背負ったレースでは4戦すべてで掲示板外となっているが、57kgではオープンクラスで2勝、G3で3着2回と好成績を収めている。この1kgの差が同馬にとって大きな意味を持つことは明らかで、今回の57kgはまさに重賞初制覇への追い風となるはずだ。
以上の理由から、キーンランドカップでは札幌巧者のモレイラ騎手を背にしたエイシンスポッターが待望の初重賞制覇を果たしてくれると期待したい。