今週の京都記念(G2)で少し注目してみたいのが、7歳馬のヒストリカル。戦績を眺めていると、いよいよ本格化してきたかと思わせるような兆しがある。元々、デビュー時からの注目度は高く、メイクデビューであっさりと初勝利を飾ると、5戦目の毎日杯(G3)で初重賞制覇と、周囲の期待にキッチリと応えてきた。ところが、ここから少し迷走気味の競走馬生活を送ることとなる。
毎日杯後に出走した、ダービー(G1)では、最下位の18着に大敗すると、休養を挟んで迎えた、秋初戦の神戸新聞杯(G2)でも7着に敗れ、距離が壁と思わせるような負け方ということで陣営はここでマイル~中距離路線への変更を試みることに。
距離短縮でヒストリカルの持っている能力を思う存分発揮できると感じたファンは、筆者も含めて多かったと思うが、クラスの壁にぶち当たるかのような競馬で、その後も善戦はするけど勝ち切れないという競馬が続いた。
ヒストリカルが2012年の神戸新聞杯以降、2014年末までに11レースに出走しているが、その中で勝利は西宮ステークス(準OP)のみという、持っている潜在能力の高さと比べると、少し物足りない競馬を続けることとなる。14年・キャピタルステークス(OP)に至っては、16着というダービー以来の大惨敗を喫しており、もうここまでかなと思うような人も多かったのではないだろうか。
しかし、ヒストリカルは、昨年の競馬から確かな成長力を見せる。15年初戦の大阪城ステークス(OP)を久しぶりの勝利で飾ると、その後も安定した成績を残すようになってきた。
マイラーズカップ(G2)では、12着に大敗したものの、福島テレビオープン(OP)・2着、アイルランドトロフィー(OP)・1着、チャレンジカップ(G3)・2着と立て続けに良い競馬をしており、一昨年とは比べものにならないくらい馬自身が成長しているところを見せつけている。
今週の京都記念のヒストリカルの課題は、距離2200メートルである。2000メートルを超えるレースは、3歳時の神戸新聞杯以来であり、ここに注目が集まる。3歳時は抵抗することすら出来なかった、2000メートル超えのレースで、ヒストリカルがどういう競馬をするか楽しみだ。
半兄カンパニーは8歳にして確かな成長力を見せつけ、天皇賞・秋(G1)とマイルチャンピオンシップ(G1)を連勝した血統。ヒストリカル自身も7歳にして、復活の重賞制覇を飾るかに注目してみたい。