中京競馬の日曜メインは菊花賞トライアル「神戸新聞杯」が開催。今年はダービー馬ダノンデサイルが菊花賞に直行し、2着のジャスティンミラノが秋の天皇賞、3着のシンエンペラーが凱旋門賞に挑戦するなど、クラシック上位組が異なる路線を選んでいる。
混戦ムードが漂う今年注目したいのは、キズナ産駒のウエストナウだ。春の京都新聞杯で2着に入り、ダービーへの出走権を獲得。しかし、レース中に1コーナー付近で外に大きく膨れ、後続の馬たちの進路を妨害したため、平地調教再審査となり、ダービーには出走できなかった。
それでも京都新聞杯の内容は高くできる。控えて勝ったデビュー戦とは打って変わって逃げていき、1000m通過60秒3のスローペースで前内有利な競馬を演出。ラスト3Fも33秒8の脚で耐えての2着は力が無いとできない芸当だ。
デビュー戦も見返してみると、未勝利戦では前が壁になりながらも、進路を外に取った瞬間に一気に伸び、2馬身差で快勝。初戦で阪神1800mを1分45秒4で駆け抜けたのは、並大抵の馬ではない。溜めて弾ける競馬ができ、高い集中力を持って逃げる競馬も出来てとポテンシャルは認めるべき1頭である。
前走では斜行で幼さを見せてしまったが、キャリア一戦で臨んだ代償もあるだろう。荒削りでもポテンシャル自体は高い馬で、ここで激走を見せてダービーに出走できなかった悔しさを晴らすことに期待したい。