中山の日曜メインは今秋G1シリーズの開幕を告げるスプリントG1「スプリンターズS」が開催。昨年の覇者ママコチャ、2着のナムラクレア、同3着で今年の高松宮記念を制したマッドクールなど、今年もスプリント界を賑わす精鋭達が激突。加えて、香港からは高松宮記念で3着だったビクターザウィナーと、G1チェアマンズスプリントで3着のムゲンが参戦。他にも、現在重賞連勝中のサトノレーヴや、前哨戦セントウルステークスを制したトウシンマカオなど、近走の短距離重賞で結果を残しているハイレベルなメンバーが一挙に集結した。
そんな好メンバーが集まった今年でとくに注目しているのは、前走キーンランドカップで3着に入った4歳牡馬オオバンブルマイだ。
前走は海外遠征帰りの一戦が懸念されてか7人気と人気はそこまでだったが、レースでは後方から上がり3F最速の33秒2の脚で一気に差を詰めて3着に激走。最内枠からスタートし、札幌の小回りコースで最後の直線に大外を回り、怒涛の末脚を見せて僅差の3着は着差以上に強い内容だ。
海外遠征明け4ヶ月の休み明けという臨戦態勢というの中、短い直線であの末脚を見せてくれたのは非常に期待が高まる内容だった。今回が復帰2戦目で、直線が長く最後に坂がある中山競馬場なら、さらにもう一段階パフォーマンスは上がりそうだ。
ハイレベルなG1スプリントでは前を走る馬が簡単には止まらなく、今の中山競馬場は時計が非常に速いこともあり、どうしても先行力のある馬を評価したくなる。ただ、週末は天候が崩れる予報であり、逃げ馬が少ない中で先行馬が多いことから、ペースが思った以上に速くなれば、オオバンブルマイの末脚が活きる可能性が高まるだろう。
さらに、鞍上が武豊騎手というのも心強い。ここ一番の勝負勘は健在であり、今年はまだG1勝利がないだけに、このチャンスを狙っているだろう。
というわけで今年のスプリンターズSは、前走で見せた強烈な末脚と武豊騎手とのコンビが実現するオオバンブルマイを有力視したい。馬名の由来である「ファンに盛大に配当金を振る舞う」結果を期待したい。