今週の土曜日、中京競馬場でダートハンデ重賞G3「シリウスステークス」が開催。1900mダートという条件でのレースはあまり多くない上に、最軽量50kgからトップハンデ59.5kgまでハンデ差が9.5kgとハンデ差は大きく、波乱を呼ぶ可能性も十分にあるだろう。
そんな中で注目しているのは、トピーズコーナー産駒の5歳牝馬エナハツホだ。エナハツホは2023年4月にオープン入りして以降、9戦して最高着順が6着。馬券圏内はおろか、掲示板にも一度も載っていない状況だ。
通常なら引退や繁殖入りの話が出てもおかしくないが、今回はエナハツホ陣営が勝負をかけている雰囲気が調教から伝わってくる。坂路とCウッドチップコースを併用しており、先週は坂路で51秒3、ラスト2ハロンが24秒4、ラストが12秒3と優秀な時計を記録。今週もCウッドチップコースで6ハロン83秒1、ラスト2ハロンが22秒7、ラストが11秒2と好タイムをマークしている。これまでの調教と比べても、ラスト2ハロンのタイムが格段に速くなっており、調子が良いのはもちろん、陣営が勝負に出ている可能性が高い。
さらに、今年は異常気象の影響で9月の終盤になっても暑い日が続いている。人間でも暑さに強いのは女性と言われるが、競馬界でも「夏は牝馬」という格言があるように、暑さに強い牝馬が活躍することが多い。今の気候はほぼ夏同然だ。シリウスステークスの出走馬15頭中、牝馬はエナハツホ一頭だけ。有力な牡馬の中には夏バテ気味の馬もいるかもしれない。「夏は牝馬」なら、エナハツホに注目すべきだろう。
さらに、エナハツホの斤量は前回の53kgから52kgに減る。この1kgの差が好走のきっかけになることも十分にあり得るはずだ。以上の理由から、シリウスステークスでは、調教で勝負をかけてきた紅一点のエナハツホが52kgの斤量で好走することに期待したい。