京都競馬の開幕を飾る重賞はG2戦の「京都大賞典」。秋の天皇賞、ジャパンカップ、有馬記念と続く中長距離G1路線での活躍を目指す実績馬たちと、それらに挑む夏の上り馬たちが激突する見応えのある一戦だ。
今年は11頭と頭数は少なめだが、今年の宝塚記念を制したブローザホーンや重賞2勝馬のサトノグランツなど今年も好メンバーが集結した。中でも注目しているのはキズナ産駒の4歳牡馬ジューンアヲニヨシだ。
今年の春に3勝クラスの烏丸ステークスを勝利し、オープン入りを果たした期待の上り馬。オープン入り後は重賞を2戦したが、G2目黒記念では12着、G3新潟記念では9着と春以降は苦戦中。成績だけ見れば「オープンの壁」にぶつかっているようにも見えるが、実際のレースを見る限り、実力が足りないというよりは「運がなかった」という内容。
まず、目黒記念では昇級初戦で初重賞にもかかわらず5番人気と期待され、最内を活かして内々で脚を溜めて追走。ただ、スローな展開の中で前がなかなか開かず、不利な状況が続き、結果的に12着に敗退した。それでも勝ち馬との差はわずか0秒6で実力は示している。
続く新潟記念では中団を追走しながら、新潟の長い直線での追い比べに持ち込む競馬を展開。しかし、ジューンアヲニヨシにとってデビュー以来最短となる2000m戦で、脚を溜めきれなかった印象だ。タラレバとはなるが、目黒記念では前があいていれば、新潟記念ではもう少し距離が長ければ結果は違っていたと感じる。
これまでの4勝はすべて京都競馬場でのものであり、適性の高いコース替わりは大きなプラスとなるだろう。今年はバビットとケイアイサンデラあたりが前でやり合いそうな気配もあり、時計が速くなればジューンアヲニヨシ向きの展開となる。
実績や近走の順位から人気もそこまで集まらなそうな気配があり、妙味も十分。京都巧者で展開利も見込める今回はチャンス十分と見て、絶好の狙い目として有力視したい。