京都競馬の土曜メインは、マイルチャンピオンシップの前哨戦「スワンS」が開催。スプリンターからマイラーまでが競演する一戦だ。今年はマイラーとスプリンターがほぼ半数ずつ揃っており、見どころは満載。
その中でも注目は、ミッキーアイル産駒の5歳牝馬、ピンハイだ。3歳時にチューリップ賞でナミュールの2着に食い込み、桜花賞で5着、オークスでも4着とクラシック路線で活躍してきた。その後もエリザベス女王杯で9着、阪神牝馬S・11着や東京新聞杯・8着など、マイル以上のレースを走ってきた。リステッド2着、中日新聞杯3着と結果は残しているものの、クラシック戦線での上位だったことを考えると、物足りなさも残る成績だ。
血統的に短距離向きと言われてきたが、3歳時には2200mや2400mといった距離でもしっかり走り切っていた。ただ、今回はデビュー戦以来となる1400m戦に挑戦ということで、復活の走りに期待したい。
実際、阪神1400mで行われたデビュー戦のパフォーマンスは高かった。7番人気と前評判がそこまでだったが、スタートで出遅れながらも最後の直線では最速の上がりで差し切って見事に勝利。進路が狭くなりインへ、さらに外へと切り替えるなど、激しい競り合いを見せながらも他馬を押しのけてゴールを切る強い勝ちっぷりだった。馬体重420kgと馬格は無かったが、大型馬とぶつかり合いながら伸びていく姿は、根性そのものだった。
その後もピンハイは根性を見せるレースを続けてきたが、やはりこの1400mの新馬戦が彼女の真骨頂といえるだろう。根性に加え、1400mという距離が彼女にとってベストだったことが、最高のパフォーマンスを引き出したのかもしれない。今回もその距離で再び最高の走りを見せてくれると期待している。
デビュー以来となる1400mでピンハイがその根性と距離適性を存分に発揮し、デビュー戦同様のパフォーマンスに期待したい。