現役時代に良成績を残した競走馬と言えども、その仔まで走るとは限らず一流馬は中々出てこないというのも競馬あるあるの一つです。父エンドスウィープの牝馬の最高傑作と言えるスイープトウショウも、現役時代には宝塚記念をはじめ牡馬相手にもインパクトのある勝ちっぷりを見せてくれた名牝ですが、これまで6頭の産駒を産み、出世頭が500万下を勝利したスイーズドリームスと、未だに大物の誕生には巡り会えていません。
種付け相手として選ばれてきたのはアグネスタキオン、ディープスカイ、ディープインパクト、ステイゴールド、オルフェーヴルといった中長距離で期待できる一流の種牡馬たち。エンドスウィープが短距離志向のある種牡馬のためクラシックを意識しての配合と言えるかもしれません。
そして、これまでよりも更に期待を受けているのが美浦・藤沢厩舎に入った今年の2歳牝馬スイープセレリタスです。父は今回がはじめてとなる、母の現役時代には宝塚記念でワンツーフィニッシュを飾ったハーツクライです。これまで同様クラシックディスタンスを意識しているものと思われますが、誕生日が6月5日ということでサラブレッドとしてはかなり遅い生まれとなるため晩成色の濃いハーツクライ産駒として3歳春までに仕上がりが間に合うかが鍵となりそうです。
現時点で馬体重は470kg前後ということで骨格的に足りていないということはないでしょう。今週25日の新潟競馬場・芝1600mに、母の主戦でもあった池添謙一騎手でデビューを予定しています。
藤沢厩舎と池添騎手のコンビと言えばロックディスタウンが浮かびますが、人気を大きく裏切る結果が続いているために、母から縁の続くこの馬で関東の名門厩舎とのパイプを太くしておきたいところ。デビュー戦からぜひ注目したい一頭です。