新潟記念の開催される左回り、芝2000mという舞台は、日本ダービーならともかく、3歳クラシック最後となる菊花賞を狙う陣営としては、最適な前哨戦とは言いがたいかもしれません。本番は京都競馬場の芝3000mということで、あまりに条件が異なりすぎることから、新潟記念をたたき台に菊花賞を狙うというのは異例のローテーションと言って良いでしょう。

そんなローテーションで挑む予定なのが、新潟記念では1番人気が想定される美浦・大竹厩舎のブラストワンピースです。ハービンジャー産駒初のダービー制覇にも注目が集まった素質馬ですが、結果はディープインパクト産駒のワグネリアンが優勝し5着入線と、ディープインパクト、キングカメハメハ両巨頭の牙城を崩すのは簡単ではないことを思い知らされました。

デビューから3連勝で迎えたダービーで初めて土が付いたブラストワンピースですが、まだまだ1敗馬のため菊花賞を狙うならば王道のセントライト記念、神戸新聞杯から始動するのが自然であり、変則ローテーションを組んで試行錯誤する段階ではないように思われますが、それでも陣営がこのレースを選択したのは、現段階で古馬相手にどこまで通用するのかを見てみたいといった意図もあるのではないでしょうか。泣いても笑っても同世代同士でのレースは菊花賞まで、それ以降は望まずとも古馬たちと戦わざるを得ないわけで、先を見据えた興味深い挑戦と見て取れます。

とは言え、過去10年のデータでは6頭の3歳馬が出走するものの、いずれも着外という厳しい結果が出ています。ブラストワンピースが大きく人気を集めるであろうことからも、個人的には馬券妙味のある古馬を狙ってみたいというところです。そこで注目しているのが、バードストーン産駒のストーンウェアです。

前走の小倉記念では5番手追走からそのまま流れ込んだ形の競馬となりましたが、速い時計に対応し、前が止まらない流れでの5着ならそこまで悲観することもありません。前々走のメイステークスでは東京の1800mで末脚を生かしての2着で、長い直線の新潟はこの馬の末脚が生きる舞台となりそうです。新潟は過去1度しか走っていませんが、そこでも2着と悪くない成績を残しています。

鞍上は最近大舞台での活躍が目立ちにくくなってきているベテラン蛯名騎手が騎乗しますが、そろそろ存在感を主張する一発を見せてくれるのではないでしょうか。