サンデーサイレンスの最高傑作はどの馬か?というのは競馬ファンの間でも意見の分かれる議題ではないでしょうか。個人的見解を言わせて貰えば、初年度産駒の怪物フジキセキに一票を投じたいところですが、無事是名馬といった格言や種牡馬入り後の成績など、一家言ある競馬ファンも多いことかと思います。
その他の後継種牡馬だけに絞ってみても、戦績がやや劣る印象の馬であっても母系の血統背景を見るとやはり超一流といった馬が多く、さすが大種牡馬、傑作揃いといえます。そんな中でもやはり避けて通れないのが近代日本競馬の結晶とまで言わしめたディープインパクトですが、今年一つの目安となる大記録を打ち立てました。
9月1日に小倉で開催された3歳未勝利戦のレッドエクシードの勝利によってディープインパクト産駒のJRA通算勝利数が1700勝になりました。JRA史上5頭目となる大記録ですが、注目したいのが達成に要した日数で、産駒初出走から8年2ヶ月13日という記録は父サンデーサイレンスの9年4ヶ月15日を大幅に抜いた最速記録の更新となりました。
1700勝の内訳は芝1517勝、ダート150勝、障害33勝ということで、芝ダート選ばず大物を出してきたサンデーサイレンスと比べると芝に偏っている点はありますが、重賞勝ち星は178とすでに歴代2位の位置につけています。あまりにもサンデーサイレンスが偉大すぎたために父を超える後継者を望むのは酷かもしれませんが、局所的にでも達成してきたのは僥倖ではないでしょうか。
種付け料が高額なため、芝でないと回収困難という生産サイドの意向もあるためダートの少なさは単純な適性のみによるものとは言い切れませんが、ちょうどダートでは棲み分けが出来る要因になっているかもしれません。二大巨頭といえるキングカメハメハがダートでも枝葉を広げているだけに、良きライバル関係を今後も続け、さらなる血の発展を願うばかりです。