圧倒的に抜けた馬が出走するときはG1と言えども回避が増えて頭数が揃わないというのは欧州競馬ではよく見られる光景で、最高峰のレースでもある凱旋門賞でも稀に見られるケースでありますが、昨年圧倒的なパフォーマンスで優勝したエネイブルが今年も参戦を決定しても19頭とフルゲートに近い頭数が集まり、見ごたえのあるレースが期待できそうです。
人気の軸となるのは前年覇者のエネイブル、そして昨年のエネイブルを彷彿とさせるような連勝街道をひた走る3歳牝馬シーオブグラスと牝馬2頭となるでしょう。
日本からはクリンチャーと武豊騎手が参戦を予定していますが、前走フォワ賞では逃げてシンガリ負けとなり、武豊騎手自身も意外性で勝負と言っているように今回はどのような作戦で挑むのかも注目です。
そして見過ごせない不気味な存在と言えるのが、一昨年上位3頭総なめの離れ業をやってのけたオブライエン厩舎。フォワ賞では5着と、クリンチャー同様結果が出せなかったカプリ、イギリスのセントレジャー勝利から距離短縮で挑むキューガーデンズ、英仏米と転戦しつつ、ニエル賞2着で復調の兆しを見せているハンティングホーン、さらにネルソン、マジカルと今年も5頭を送り込んできました。
主戦力となるのはムーア騎手騎乗のキューガーデンズでしょう。英ダービーは逃げて大敗を喫したものの、その後は控える競馬でパリ大賞、セントレジャーとG1二つを制してここに挑みます。昨年同様包囲網をものともせずにエネイブル、シーオブグラスが突き抜けてくるのか、オブライエン厩舎勝利の方程式が炸裂するか、多頭数ならではの醍醐味も含めぜひチェックしておいてください。