秋の京都競馬の開幕週最初の重賞は、G1の天皇賞、ジャパンカップ、そして有馬記念を目指す馬達にとっての始動戦となる「京都大賞典」です。
今年は、11頭立てと少し頭数が少ないですが、G1・2勝のサトノダイヤモンドを筆頭に、昨年の覇者スマートレイアーや、昨年のジャパンカップ馬シュヴァルグラン、ステイヤーズステークス3連覇のアルバート、目黒記念の覇者ウインテンダネス、2連勝中のレッドジェノヴァなど中々のメンバーが揃いました。
そんな中で今回私が注目しているのは、2歳時に重賞を2勝しているブレスジャーニーです。
ブレスジャーニーは、2歳時に豪脚とも言える末脚でクラシック有力馬として注目されていた馬でしたが、怪我のために約1年の休養を挟み、昨年の菊花賞で復帰してきました。その菊花賞では12着に敗れ、その後も6戦しますが、馬券圏内に入ったのはチャレンジカップの3着のみと2歳時の注目度から考えると、少々物足りない結果となっています。
ただ、ここ4走だけ見てみると、6着、5着、4着、4着と少しずつですが復調気配が見られます。ここ3走は上り3ハロンがいずれも3位以内に入っているように、持ち前の末脚も復活しつつあります。さらに、ここ3走はいずれも北海道の直線が短い競馬場でのものでしたので、広くて直線の長い京都競馬場であれば持ち味が活かせる競馬ができる可能性が高そうです。
末脚が良い馬には、小回りで一瞬の末脚がいいタイプの馬もいれば、長い直線で追えば追うほど伸びてくるタイプの馬もいます。ブレスジャーニーが2歳時に重賞を2勝したのはいずれも東京競馬場ですので、末脚のタイプ的には長い直線で追えば追うほど伸びてくるタイプと言って良いでしょう。
鞍上は今回が初コンビとなる和田竜二騎手の予定です。和田騎手と言えば名馬テイエムオペラオーの主戦騎手として有名ですが、今年で23年目のベテランジョッキーです。普通の騎手なら、成績も徐々に下降気味となってくるところなのですが、和田騎手はその逆に22年目の昨年に年間勝利数の過去最高を記録し、芝の勝率も昨年よりも好成績で、今年は宝塚記念をミッキーロケットで制し17年ぶりのG1勝利を果たすなど、上り調子です。まさに今が一番充実していると言ってもいいでしょう。ともに調子が上がってきているこのコンビは、いい相乗効果を引き起こしてくれるのではないでしょうか。
東京スポーツ杯2歳ステークスでは、今年大阪杯を制したスワーヴリチャードを差し返すという素晴らしい末脚を見せてくれました。休み明けから叩き4走目となる今回は、2歳の頃に見せたような強い競馬にまた期待したいと思います。
叩いての上澄みと得意な長い直線、そして充実の和田騎手とのコンビで、かつて感動させてくれた末脚爆発を久々に見せてもらいたいところです。