いよいよ今年の牝馬クラシック最終戦秋華賞が行われます。なんと言っても、主戦のルメール騎手に「凱旋門賞の可能性があるほどの馬」と言わしめたアーモンドアイが牝馬3冠となるか、という点が話題となっています。

ただ、他の春の実績馬達も虎視眈々とラストの1冠を狙ってきています。桜花賞ではアーモンドアイを抑えて1番人気になっていたラッキーライラックをはじめ、前哨戦ローズステークスを快勝したカンタービレ、そのローズステークスでは大敗したものの桜花賞は4着に好走しているトーセンブレス、またNHKマイルで5着の後、3歳牝馬ながら古馬混合重賞の関屋記念を勝利したプリモシーンなどが参戦してきています。

また、上り馬からはローズステークス2着のサラキアや、北海道競馬で3連勝してきたミッキーチャームと言った素質馬達も駒を進めてきており、今年も素晴らしい馬たちが集まり18頭のフルゲートの出走となりました。

しかし今回注目しているのは上記ではあげなかった伏兵馬、ハーツクライ産駒のダンサールです。

ハーツクライ産駒と言えば成長力が魅力の一つとされておりますが、まさにダンサールは大物の可能性を感じさせる成長力がある1頭であると言えそうなのです。

その証拠と言えるのが、ここ2走のレースっぷりにあります。まず前々走、札幌で行われた500万のレースですが、ダンサールはここで3着に敗れます。上り時計は一番速かったのでデータ的にはその点が評価されるでしょうが、評価されるべき点は他にもあります。

道中中段から4コーナーで押し上げてきたダンサールは、直線で2頭ほどの馬が膨れたため、かなり大きく外に振られる不利がありました。並みの3歳牝馬であれば、外に振られてしまうと距離ロスもありますのでなかなか差を詰めることはできずに大敗もあるところなのですが、ダンサールは振られた後でもそこからしっかり伸びて3着まで上がってきたのです。ダンサールは馬体が500kgを超す大型馬。膨らむ不利がありながらも立て直して伸びてくる迫力は、かなりのものがありました。

そして前走の阪神競馬場で行われた500万のレースでは、さらに大物感を見せてくれました。ダンサールは、新馬を逃げ切りで買っているように4戦中3戦を逃げているのですが、前走も逃げて勝利しています。デムーロ騎手がスローに落とし、うまく逃げた展開の利もあったでしょうが、道中2番手から直線ですっと抜けだすと、そこからは差を広げるばかりで快勝しました。

道中は鞍上のデムーロ騎手も後ろを見る余裕もあり、ほぼ追わずに楽に突き放し、ぐんぐんと差を広げて5馬身差で快勝という大物感たっぷりの勝ち方を見せてくれました。今回は相手が違うだけにそんな楽な競馬はできないでしょうが、前走のほぼ追わずに楽に突き放した競馬を見ると、アーモンドアイやラッキーライラックにも引けはとらないような雰囲気さえ感じます。

ということで、3冠がかかったアーモンドアイに注目が集まる今年の秋華賞ですが、遅れてきた大物ダンサールが3冠を阻止してしまう可能性もあると予想し、ダンサールに重い印を打って勝負したいと思います。