日本馬のレベルアップと共に失われた魅力。

3月26日に迫った「ドバイワールドカップデー」。今年も日本からたくさんの有力馬が出走を予定していますが、中でも先日の中山記念を快勝したドゥラメンテには、ぜひとも招待を承諾して欲しいですね。

さて、今ではまったく珍しくなくなった海外遠征。さらに難なく結果まで出すようになるなんて、一昔前は考えられなかったことです。これは関係者の並々ならぬ努力の賜物であるわけですが、日本調教馬が飛躍的にレベルアップしたことにより、失われた魅力も少なからずあるのではないでしょうか。

その例がジャパンカップです。「世界に通用する強い馬づくり」を提唱し、1981年に日本初の国際招待競走として創設されたジャパンカップ。創設11年目までの内訳は、海外招待馬9勝に対し日本馬の勝ち馬は2頭だけ。圧倒的劣勢が続いたのです。しかもその勝ち馬のほとんどが自国でバリバリの一線級ではなかったということが、衝撃に拍車をかけたわけです。

当時のジャパンカップと言えば、競馬ファンにとっても当然お祭りであり、見たことも聞いたこともない血統表に胸を躍らせたものです。サドラーズウェルズだカーリアンだと、普段はお目にかかることができない血統馬を間近で見ることができるということが、何よりの魅力だったように思います。「あれが英ダービー馬なんだ」「凱旋門賞走った馬なんだ」と、とにかく興奮を覚えたものですが、今では自国のダービー馬などが来てもほとんど無印に近い扱い。12月に香港の国際競走が控えていることもありますが、賞金を増額しても海外遠征馬が集まらない背景には、やはり日本馬の層の厚さがあるのです。

得体の知れない馬や騎手に興味、不安を抱きながら予想をする楽しみ。これこそが、冒頭で触れた「失われた魅力」ではないかと、一競馬ファンとして強く痛感しますが、みなさんはいかがでしょうか。