今週の京都競馬場では牝馬No1を決めるエリザベス女王杯が行われます。現時点で牝馬最強と言われているアーモンドアイやディアドラなどが別路線で牡馬に挑戦するということで、強者不在のエリザベス女王杯は激戦必至の様相です。
古馬陣からは、G1で2着4回の実績があり念願のG1制覇を狙うリスグラシューをはじめ、今年の札幌記念で牡馬トップクラスを相手に3着と好走している昨年の勝馬モズカッチャン、牡馬相手の京都大賞典に2着と大健闘のレッドジェノヴァ、8着と負けたものの積極的な競馬が目立ったスマートレイアー、昨年のヴィクトリアマイルの覇者アドマイヤリード、現在重賞4戦連続馬券圏内に入っているフロンテアクイーン、これまで13戦して1度しか馬券圏内を外していない未知の魅力のあるコルコバード、その他にも重賞戦線で活躍している馬が多数揃いました。
3歳馬からは2頭だけの出走ですが、アーモンドアイの3着に好走したカンタービレに、これまで馬券圏内100%で絶好調のルメール騎手が騎乗するノームコアと魅力たっぷりの馬が挑戦してきました。
その中で注目しているのはレイホーロマンスです。レイホーロマンスはディアドラと同じハービンジャー産駒の5歳馬です。中央競馬の京都でデビューしますが、8戦して未勝利のまま名古屋競馬場に移籍し、名古屋で4戦3勝した後、わずか3ヶ月で中央に復帰してきたという経歴があります。
中央復帰後は、2戦目で500万を、そして5戦目で1000万を勝利し、復帰後初重賞となった愛知杯で2着に好走し、重賞常連にまでなるほどに成長しました。今年は初戦からG3の愛知杯で2着に入着し、その後も重賞路線を進み今年はG3を6戦して「0-1-1-4」という成績。勝ち星こそあげれておりませんが、全てのレースで6着以内に入るなど安定感のある成績を残しています。
まだ重賞を勝利していない点からいきなりのG1では力不足感はあるのですが、この馬が隠れた2200m巧者であるという点は、大激走の予感を感じさせてくれます。レイホーロマンスはこれまで2200mのレースに2度出走し、1勝2着1回と連対率は100%です。いずれも1000万の特別戦かつ牡馬との混合戦だったことを考えると、牝馬限定で2200mなら条件的には好条件と言えるでしょう。
最初の2200mの比良山特別では今年の宝塚記念に出走したサイモンラムセスに先着し、2戦目の尾張特別では今年の天皇賞春に出走したチェスナットコートを破っています。昨年のエリザベス女王杯で好走した馬達と比較すると実績的には劣りますが、2200mというレースに限って言えば実はそこまで遜色ないのではないでしょうか。
さらに、この馬のお兄さんにスズカデヴィアスがいるのですが、新潟大賞典を制した重賞ウイナーです。このスズカデヴィアスも2200mが得意で、3歳時に阪神競馬場の2200mのすみれステークスを勝ち、エリザベス女王杯と同じ京都2200mで行われた京都記念で後のG1馬ラブリーデイの2着、1600万の比叡ステークスを勝利するなど、京都競馬場の2200mで多くの好走実績があります。血統面においてもここは期待ができそうな舞台と言えそうです。
ただ、レイホーロマンスは420kg台と小さな馬で、これまで軽ハンデの恩恵を受けて結果を残してきた感もあります。近2戦は51kgで3走前が52kgと斤量は軽め。今回G1ということで斤量が56kgとなる点は少し心配ではありますが、そこさえ克服できれば大激走も十分にあることでしょう。
そして、今回は鞍上が今年の京都競馬場での勝率が20%を超える福永騎手となります。G1・3連勝とノリにノッテいるルメール騎手には劣りますが(23%台)、デムーロ騎手(17%台)や武豊騎手(12%台)よりもかなりいい成績を残している騎手なだけに、上手にレイホーロマンスの適性を引き出してくれるのでは?と期待しています。
ということでエリザベス女王杯は、隠れた2200m巧者レイホーロマンスを狙って勝負してみたいと思います。