【中山牝馬S2016有力馬】ルージュバックいよいよ能力を発揮!

大器、大器と騒がれながら結局、去年は周囲が望むような大きなタイトルを取れなかったルージュバックが2016年初戦を迎える。

昨年は3連勝できさらぎ賞(G3)を制覇すると、牝馬クラシックは通過点とまでいわれたが桜花賞(G1)は超がつくスローペースに巻き込まれて9着。

続くオークス(G1)は確勝を期して臨んだものの、最後の直線でミッキークイーンの強襲にあい2着。

秋に備えて、夏の札幌記念(G2)からの始動戦を選択するが熱発回避で結局、秋は11月のエリザベス女王杯(G1)が初戦となった。エリザベス女王杯3番人気4着、続く有馬記念(G1)では6番人気10着に敗れて以来の今回の競馬となる。

2走前のエリザベス女王杯は、スタートで躓くというか滑るというか、あまりスムーズなゲートではなかった。稍重で前半800メートル・48.5、1000メートル・60.7という平均ペースとなったが、これを後方2番手の位置から追い込んできての4着。

ゴール前でタッチングスピーチにかわされ、後ろのスマートレイアーにも詰め寄られた分はおそらく休み明けの影響。オークス以来の競馬ということを考えれば、十分な内容だった気がする。

続く有馬記念では前半1000メートル・62.4で10番手からの競馬となったが、3コーナー手前から進出したゴールドシップが前のルージュバックをかわすと、それにつられた形になったのか一緒についていこうとするシーンが見受けられた。

ゴールドシップ以外では最も早く仕掛けたグループになり、直線では仕掛けを遅らせた組にかわされるなどの少しチグハグした競馬となってしまった。

前走の位置取りは[10-10-8-5]である。この通過順で勝ったらそれこそプチゴールドシップだから特に前走の負けは気にする必要もないだろう。

自分の競馬に徹することができれば、底力はかなりのものを秘めている。終始、外々を回らされたのも響いた感じがした。

母父・Awesome Againは、ローマンレジェンドやミラクルレジェンドに代表されるように成長すれば爆発力・底力という意味ではかなりのものを伝える魅力がある。

軽いスピードではなく、大レースになればなるほど要求される持続した質の良い末脚を秘めていそうなだけに、今年初戦のルージュバックには当然注目が集まる。

昨年の桜花賞のように軽いスピード主体の能力が要求される競馬では不発に終わる可能性もあるが、厳しい競馬になった時には台頭してくる可能性も十分に考えられるだろう。秘めている底力に期待してみたい、今年の中山牝馬ステークスだ。