一か月前のJBCの記憶も新しい中、改めて中央競馬ダートチャンピオンを決める一戦「チャンピオンズカップ」が2日に中京競馬場で行われます。
JBCクラシックを勝ったケイティブレイブをはじめ、同レース2着のオメガパフューム、3着のサンライズソア、ジャパンダートダービーと南部杯を制したルヴァンスレーヴ、今年のフェブラリーSの覇者ノンコノユメ、牝馬からはJBCレディスクラシックを勝ったアンジュデジール、そしてダートの本場アメリカからはパヴェルの参戦と多種彩々なメンバーが出走してきました。
そんな好メンバーが揃ったチャンピオンズカップで注目しているのは、ウェスタールンドです。2014年に札幌でデビューし、昨年までは芝の中距離路線を主戦場としていた馬でした。なかなかオープン入りできずに苦戦しており、今年ダートへ転身してきました。
初戦は6月の津軽海峡特別で、長期休み明けにも関わらず初のダート戦を快勝し、次戦の薩摩Sも難なく勝利し、あっさりとオープン入りを果たします。その後ダート初重賞となるシリウスSでは最後方から追い込み、勝ち馬オメガパフュームのクビ差の2着に大健闘。ダートでは重賞級の力を持っていることを示しました。
しかし、上がり最速を出したシリウスSから一転、前走の武蔵野Sでは3番人気に推されながら上り5番目と物足りない末脚で、伸びきれずに7着に終わってしまいます。レースは中団から進め、道中押し上げようとするも掛かってブレーキをかけるシーンもあり、直線でも蓋をされて外へも出れずという内容。オドノヒュー騎手の騎乗にも問題はあったかと思いますが、やはり忙しいマイルは合わなかったという印象があります。
小回りの函館や小倉で差し切っていることを考えると、ウェスタールンドは長くいい脚を使うタイプというよりは切れ味で勝負する瞬発力タイプ。そうなると東京競馬場のような長すぎる直線よりは、ほどよく長い中京競馬場位の直線の方が向く可能性もありますし、距離も1ハロン延長の1800mは条件好転かと思われます。
武蔵野Sを制したサンライズノヴァやフェブラリーSを制しているノンコノユメなどは東京マイルは合いそうですが、中京の1800mならウェスタールンドの方が適性はありそうです。前走の負けで人気が落ち、逆にその他の馬達が人気がでるなら、気楽に思い切った直線勝負ができるのではないでしょうか。
さらに、今回は久々の外国馬となるアメリカのパヴェルが出走してきます。アメリカのダート馬は、先行脚質が多く時計も速い馬が多いことから、人気先行馬にとっては案外厳しいペースになるかもしれません。展開的にも末脚がはまる可能性は十分ありそうです。
オドノヒュー騎手から藤岡佑介騎手への乗り替わりもプラス。同馬とは4度目のコンビで、今年初戦は津軽海峡特別で手綱を握り勝利しております。今年NHKマイルで自身初となるG1勝利を決めましたが、早くもG1・2勝目の大きなチャンスがまわってきました。ここは藤岡騎手のG1・2勝目、そしてウェスタールンドの重賞初勝利に期待したいと思います。