【有馬記念2018予想】武豊✕オジュウチョウサン、"奇策"が必要

今年4月の中山グランドジャンプまでは障害史上最強クラスと呼ばれるほど圧倒的な戦績を残してきたオジュウチョウサンだが、空前絶後のローテーションで遂に有馬記念出走を決めた。障害レースに残ればまだまだ勝利を量産出来ていたであろうことは予想できるが、それには飽き足らないとばかりに夏から異例の平地路線へと再参戦を果たした。

平地レースではそれまで未勝利だったものの、500万下と1000万下の特別レースを連勝し、賞金不足を跳ね返すファン投票3位での有馬記念出走となった。タフな中山大障害や中山グランドジャンプ、直近の平地でのレースぶりを見るに距離は長ければ長いほど有利になると言えるため、有馬記念の行われる中山2500mへの不安はないだろう。

父ステイゴールドは有馬記念勝ち馬を多く送り出しており、母父のシンボリクリスエスも連勝しているため血統面では有馬記念に向いているとも言えるオジュウチョウサンだが、連勝してきたとは言え条件馬相手ではさすがに日本のトップクラスを相手取る有馬記念においては流石に通用するかどうかは疑問符がつく。

ミラクルを起こしてくれそうな血統に加え非常にファンの多い馬だけに単勝はそれなりに売れるはずだが、これまでのレースぶりからすると馬券に絡むような活躍を見せるには大逃げなどの奇抜なアイデアや展開のアヤなどが必要になるだろう。

鞍上は天才・武豊。今秋はクリンチャーで凱旋門賞に挑戦するも17着に敗れ、フランス遠征は失敗に終わったが、グランプリでの逆襲撃に期待していたファンも少なくないだろう。しかし蓋を開けてみればクリンチャーへは乗らず、オジュウチョウサンとのコンビが決定した。

勝算があってのものなのか、話題作りのためなのかは関係者のみぞ知るところだが、本人も「見せ場は作りたい」と言っているように、ただ乗ってまわってくるだけの競馬はしたくないだろう。上述したように活躍するには能力以外の部分での工夫が必要となってくるが、そういう意味ではこれまで数々の奇策で勝利を掴んできた武豊は申し分ない騎手と言っていい。今回は年末の大一番、そして平成最後の有馬記念で、障害界の王者オジュウチョウサンで一体どんな伝説を作ってくれるのか?楽しみに待ちたい。