昨年のジャパンカップ覇者であるシュヴァルグランだが、今年はここまで春と秋それぞれ2戦ずつ走っているが未勝利のままとなっており、白星をあげれぬまま1年が過ぎた。
今年初戦となった大阪杯は休み明けのうえ不得意な阪神内回りコースということも災いしたのか、13着と大敗した。しかし、続く天皇賞春ではレインボーラインにクビ差2着まで肉薄し、得意の京都の舞台で巻き返してきた。
秋2走は共に4着と大崩れもしていない安心感を見せている。とは言え、前走のジャパンカップは得意コースに加え、京都大賞典を叩いて万全な態勢で迎えたものの、アーモンドアイに0.9秒差というのは例え4着と言えども完敗と言わざるを得ないため、陣営としてはショックが大きかったかもしれない。
ただ、有馬記念にはアーモンドアイも不在で、2着のキセキも秋4走目となるため、シュヴァルグランにもチャンスがないとは言えない。昨年の有馬記念では不利がありながらキタサンブラックに0.2秒差の3着に健闘しており、実力の高さは証明済み。リピーターの多い有馬記念なら今年も上位の可能性は十分と考えたい。
走りはエンジンの掛かりが遅く、仕掛けは早くしたいタイプ。なるべく前目に付け、良い位置から早めに仕掛けることができれば最後に見せ場は作れそうだ。オジュウチョウサンやキセキがどんなペースを作るのかによっても展開は変わってくるし、今回は大外の8枠ということで楽な条件というわけでもないが、昨年のジャパンカップの時のように嵌まれば強い一頭であることは間違いない。
鞍上はジャパンカップを制したボウマン騎手へと戻っている点も後押しできる点と言える。ジョッキーの力量というのは単純に測れない部分ではあるが、このコンビでは3戦ともに走り、昨年の有馬記念で3着、今年の天皇賞春で2着と大舞台で馬券を外さない活躍は非常に相性が良いのだろう。去年の3着についても「不利がなければ2着だったかもしれないし、ひょっとしたら勝っていたかもしれない」と共同会見でも語っており、今年は周りに干渉されたりトラブルのない騎乗ができれば例年以上の好勝負に持ち込めるのではないだろうか。
天皇賞春の後には「年内引退」を発表したシュヴァルグラン陣営だったが、秋の2戦で結果が残せなかったこともあってか、来年も続行することを急遽発表。米国のBCターフなども視野に入れたプランを発表した。この有馬記念でG1・2勝目を果たし、来年に向けても大きな弾みをつけておきたいところだろう。出てくる以上はメイチで仕上げて勝ちに行く競馬をしてくれるものと思って期待したい。