競馬は「記憶のスポーツ」と呼ばれるように、とにかく予習、復習が大事になります。学生時代は勉強が苦手だったけど、競馬の知識ならスラスラと頭に入れることができる!という人も少なくないのではないでしょうか。そして誰しもが競馬を始めた時のことを一番よく覚えていることと思います。
私は今でもある世代が忘れられません。それは、1995年の牝馬クラシック戦線。当時の牝馬クラシック戦線に豊富な手駒が揃っていたのが、栗東の名門・伊藤雄二厩舎でした。トニービン×ダイナカールといかにも大物感が漂うエアグルーヴを筆頭に、ヘクタープロテクターの初年度産駒となるセンターライジングとマックスロゼの2頭。そしてスターロッチの血を引くクリエイター産駒メイショウヤエガキ。一つの厩舎が4頭もの有力馬を送り込むこと自体、大変なことですが、なぜ忘れられないかというと、4頭すべてがそれぞれの個性、特色を持っていたということです。
総合能力ではエアグルーヴが一番でも、スピードで勝負できる桜花賞ではヘクタープロテクター産駒のセンターライジング、マックスロゼにも逆転があるんじゃないか。オークスの東京2400なら、芝2000で2勝マークもメイショウヤエガキに分があるかも?なんて、とにかくあらゆる妄想が出来たわけです。
もちろん、今の競馬がつまらないわけではありません。各関係者の努力の賜物が今の日本競馬の底上げにつながっているわけですから。しかしディープインパクト、サンデー、ノーザン、社台・・・と書いてある馬だけが上位に来るような競馬ではなく、血統から出る適性や厩舎力によって導き出される個性みたいなものが存分に楽しめる時代もそれはそれで面白かったと思うわけです。
みなさんにも思い出のクラシック世代ってあるでしょうか?