父、母ともに所有していた馬の産駒でG1を勝利するというのは超一流オーナーブリーダーのみに与えられた特権であり、個人で成し遂げるのは最早ゲームの世界の話のように聞こますが、それを現実のものとしてしまったのが驚異的相馬眼を持つ馬主の金子真人氏です。昨年のワグネリアンに至っては父、母のみならず母の両親とも所有馬で固めた金子一族の結晶ともいえる存在です。
そして、それよりも以前にこの偉業を成し遂げていたのが、父キングカメハメハと母ポップコーンジャズの間に生まれ、古馬になって急成長を遂げ、宝塚記念と天皇賞(秋)を立て続けに勝利したラブリーデイでした。
そんなラブリーデイの全弟であるボッケリーニが今週日曜の中山競馬場6レースの新馬戦に出走を予定しています。マイルの新馬戦は今週は京都でも組まれているため、敢えての遠征は先々の皐月賞を見据えたか鞍上に迎えるC.ルメール騎手にこだわったか定かではありませんが、いずれにせよ見逃せない一頭です。
ラブリーデイほどの大物は流石に出ていないまでも、同じく全兄のバンコミードもキングジャズも勝ち上がっており堅実な血統です。晩成気味だったラブリーデイですが、新馬戦と続く野路菊ステークスも勝利しており、更に仕上がりが早いようであればクラシックでの期待も高まります。
半兄にフランスG1馬のザワウシグナルを持つマル外のユニコーンライオンや、同じく半兄に皐月賞馬キャプテントゥーレを持つシルヴァーソニックといった良血馬が京都へ回るということで、結果的に手薄になった中山では出来れば取りこぼしなくデビュー戦勝利を期待したいですね。