中京競馬場の最初の重賞「東海ステークス」が20日に行われます。以前は2300mダートで長距離ダート決戦として行われていましたが、距離も1800mと短くなり、開催時期も年末から年始に変わったことでフェブラリーステークスのトライアル的存在として位置付けられています。
今年は出走頭数こそ13頭と落ち着いてしまいましたが、抜けた存在がおらず大混戦模様と
なっているようです。今年は現在5連勝中で初めて重賞挑戦ながらも未知の魅力たっぷりの武豊騎手が乗るインティが人気の中心となりそうですが、昨年のJpn1のJBCレディスクラシックを制し、G1チャンピオンズカップでも4着に食い込んだ牝馬のアンジュデジールや、昨年末の中央交流Jpn2の名古屋グランプリを制した勢いのある4歳馬チョウワウィザード、休み明けながらも同じく4歳馬でダートでは底を見せていないスマハマ、一昨年の東海ステークスを勝ったグレンツェント、昨年の東海ステークス3着のモルトベーネなど、新星インティを負かそうと若手からベテランまで個性的なメンバーが揃いました。
そんな中で注目しているのは、2016年の東海ステークスの勝ち馬アスカノロマンです。前走はG1チャンピオンズカップで10着に敗れ、今回は同じ中京の1800mで巻き返しを狙います。前走のG1からメンバーもだいぶ落ちますし、前走と同じ中京1800mということであれば悪くない条件と言えるでしょう。
それでも、約2年半も勝ち星をあげれていないというスランプの長さを考えると、そこまで人気が集まるということも考え難いでしょう。5歳時の2016年に東海ステークスを勝利し重賞ウイナーとなった後、フェブラリーステークスで3着と好走し、平安ステークスも勝利し、その年末のチャンピオンズカップでも10番人気ながら3着と激走したアスカノロマン。同年のダート中距離路線を盛り上げた同馬でしたが、明け6歳となってからは着順もガクンと落ち、以降は勝てない競馬が続きます。6歳時は7戦し一度も馬券圏内に入らず、7歳となった昨年は9戦して馬券圏内は0という現状です。約2年で16戦して一度も3着以内に入っていないのですから、人気とならないのも当然といえば当然でしょう。
しかし、中京コースはメンバー唯一の2勝をあげておりますし、そのうちの1勝は3年前の東海ステークスです。「2-0-1-4」と決して驚くような高い適性ではないものの、今回出走の13頭の中では断トツの中京実績なのです。
さらに、注目したいのは斤量面です。昨年、スランプの中で掲示板に載ったことが2戦(いずれも4着)あるのですが、そのうちの1戦が今回と同じ中京1800mで行われた名鉄杯で、その時の斤量はトップハンデの60kgでした。オープン戦だったので重賞ウイナーであるアスカノロマンは斤量を背負わされましたが、他馬よりも2~5kgも重たい斤量ながらも4着に激走した競馬は、中京競馬場1800mという条件が合っていたからということの影響も大きいでしょう。
今回は56kgを背負いますが、60kgのオープン戦で4着、前走G1チャンピオンズカップが57kgで10着なら、さらに過去に優勝経験もあり、メンバー中一番適性のあるコースの今回なら、馬券圏内の可能性は十分あると考えても良いのではないでしょうか。逆に言えば、ここで馬券圏内にこれなければいつ来るのか?と言っていいほどのチャンスでしょう。
ということで、東海ステークスは穴馬アスカノロマンの激走に期待して勝負したいと思います。予想通り人気がなければ、いいお小遣いをプレゼントしてくれるかもしれません。