3日の中山競馬場ではハンデ戦の古馬マイル重賞・ダービー卿CT(G3)が行われた。
ダービー卿CTの道中の通過タイムは、前半600メートルが35秒3、800メートルが46秒9であり、勝ちタイムは1:32.8。同じ日のマイル戦、3歳500万クラスのレースは、600メートルが35秒3であり、800メートルは46秒8だから、G3クラスのマイル戦としては落ち着いたペースとなった。
マジックタイム
1着・マジックタイムは道中は中団の8番手からの競馬。
折り合いも問題なしであり、勝負所の4コーナーから直線にかけては最内に潜り込んでいった。外々を回った馬たちとは違い距離ロスがない競馬ができたのも勝因のひとつであった。
斤量の53キロもこの馬には向いた感じである。前走の時計がかかる重馬場の京都牝馬ステークス(G3)でも2着に好走しているあたり馬場適性は万能タイプだと感じる。
父がハーツクライに、母父がブライアンズタイム。成長したら手のつけられない非常に爆発力のありそうな血統である。
2歳時の10月に2勝目を挙げてから2年間未勝利であり、昨年の10月に久々の勝利を飾ると、そこからこの日のレースを含めて5戦連続連対中。本格化の気配がいよいよ漂ってきた。最後もまだ余裕な印象を受けた。まだ強くなりそうであり次走も注目。
ロゴタイプ
2着・ロゴタイプは58キロを背負っており、負けて強しの印象。
道中は2~3番手からレースを進めていたが、この斤量では直線ヨーイドンの競馬では分が悪いと感じたのか鞍上の田辺騎手が早めに仕掛けていったような印象を抱いた。お手本のような4角先頭の競馬で最後までよく伸びたが最後はマジックタイムに内をすくわれる形となってしまった。
ただ、決して悲観するような内容の競馬ではないため、次走もこれなら上位争いはできる可能性はある。これで中山コースは皐月賞(G1)1着を含めて【3-3-1-2】
前走の中山記念(G2)は嫌な負け方をしていただけに、ピークは過ぎたのではないかと感じていたが、休み明け2戦目のここでキッチリと結果を残したあたりはさすが。走る条件は限られてきそうだが、まだ得意条件なら勝負になりそうである。
サトノアラジン
3着・サトノアラジンも57キロのハンデで3着。
スタートして鞍上のルメール騎手が、少し押していたあたり、ダッシュがつかなかったのかもしれない。道中は勝ったマジックタイムと同じような位置取りでレースを進め、直線も内を突いて伸びてきてはいた。最後は脚色が一緒になったこともあり、この日に限っていえば持てる力は出していたような気もする。
1着馬との斤量差は4キロあり、この点も影響したかもしれない。叩いた次走に期待してみたい馬だ。
キャンベルジュニア
1番人気で9着に敗れたキャンベルジュニアは、好スタートからハナに立つ形。
直線では坂下までは頑張っていたが、坂を上がってからはズルズル後退。3歳時のラジオNIKKEI賞(G3)で15着に敗れており、この日も重賞の壁を突き破ることができなかった。
条件戦では中山でも勝っておりコースは問題ないと感じるが、やはり、日本の馬と比べ、約半年遅く生まれるというハンデを抱える南半球産であるため、馬がまだ成長途上の可能性もある。
前走が小倉の平坦コースで3馬身半のぶっちぎり。このクラスでも中山の急坂をこなすパワーがついてくれば、重賞制覇は簡単にできそうな能力を秘めていそうなだけに、もう少し追いかけてみたい馬だ。
総評・その他
4着のダイワリベラルは大得意の中山コース適性を重賞クラスでも遺憾なく発揮して好走したため、引き続き中山コースでは注目してみたい。
3番人気6着のダッシングブレイズは前走の東京新聞杯(G3)、落馬競争中止後の初の競馬であったが、特に前走の影響はないと感じた。
スタートで少しダッシュがつかなかったが、直線はサトノアラジンと並びメンバー中2位タイの上がり33秒9で後方から差を詰めており持っている能力の高さは示した形。
外々を回る競馬で距離ロスと初の中山コースということも微妙に影響したかもしれない。
この辺りのクラスであれば次走、もう一度見てみたい。