27日(日)は京都競馬場で1200mのハンデ重賞「シルクロードステークス」が行われます。スプリント戦で出走頭数18頭という条件に加えてハンデ戦ということで、荒れる要素はたっぷりの一戦と言えるでしょう。
実際、昨年は15番人気が3着に食い込んで23万馬券となり、一昨年11番人気が3着に絡み16万馬券と人気薄がよく絡んでおります。過去10年で見ても10番人気以下の人気薄が7頭も馬券に絡んでおり、波乱傾向の強いレースであることが分かります。
今年は実績上位馬がいずれも順調とは言えない参戦となっており、荒れる要素を上昇させています。例えば、2年連続でシルクロードS・2着のセイウンコウセイは今回唯一のG1馬ですが、昨年函館スプリントSを勝ったものの、その後はスプリンターズSで12着、JBCスプリントで14着と大敗しており近走は不振気味。昨年のスプリンターズS・2着のラブカンプーや4着のダイメイプリンセスは、それ以来の出走となり約4ヶ月の休み明けと不安もあります。また、前走の京成杯を制して重賞初勝利を果たしたダノンスマッシュも人気のロードカナロア産駒ということもあって人気を集めそうですが、週末が雪予報のため馬場への対応が懸念されます。
近走不振に休み明けの人気馬、週末の馬場、ハンデと、波乱の要素は今年もたっぷりといった状況です。そんな中で今回筆者が注目しているのは坂井瑠星騎手騎乗のリョーノテソーロです。
リョーノテソーロはJustin Phillip産駒の4歳牡馬。JRAでは2頭しかいない珍しい産駒で、父はダート競馬の本場アメリカの短距離路線で活躍している馬です。ダートよりの血統で、リョーノテソーロも東京のダートで2017年にデビューしております。ダートで3戦した後、芝のマイル路線へ転身するも結果は出ず、再びダート路線へ。そかしそこでも結果を残せず、紆余曲折を経て再度芝路線へと戻ってきたという馬です。
ちょうど1年前のクロッカスS(OP、東京・芝1400m)を勝利して以来勝ち星をあげれておりませんが、3走前のラピスラズリS(OP、中山・芝1200m)で3着に入着し、久々の馬券圏内。初の芝1200mで良化を示し、以降は芝の1200mのレースに絞ってきました。前走の淀短距離S(OP、京都・芝1200m)では6着だったものの、勝ったナインテイルズや2着のアンヴァルから0.2秒差でしかありませんでした。やはり1200mの適性は高い一頭です。
前走は出遅れて後方3番手の内から進め、勝負どころの直線では前が全く開かず、ラスト50mぐらいからようやく差し込んでの6着という内容でした。スムーズに回れば上位と差のない競馬ができていた可能性は高く、着順以上に評価したい一頭です。
その淀短距離Sを勝ったナインテイルズや2着馬のアンヴァルは、今回それなりの人気を集めそうですが、近2戦は掲示板も外しているリョーノテソーロはここでいきなり人気が上がるということも無さそうですし、配当的には魅力たっぷりとなりそうです。
そしてさらに魅力があるのが鞍上の坂井瑠星騎手です。期待の新人として頭角を現していた若手ですが、2年目の2017年11月からはオーストラリアで約1年の武者修行を積み、昨年の11月に日本へと戻ってきました。なかなか珍しく勇気のあるチャレンジだったと思いますが、帰国後の成績は武者修行前よりも断然いい成績を残していますので、今年の活躍には期待したい騎手の1人でもあります。
外国人騎手優勢のジョッキーの中でも異質の経験を積んで実力を付けてきた坂井騎手。1年間海外にいたにもかかわらず勝利数は5人の同期の中で3番目に多く、帰国後も順調に勝利を積み重ねっております。重賞初勝利にも期待したいところです。
リョーノテソーロもダート戦で武者修行を積み、力を付けての短距離路線チャレンジというこで、紆余曲折を経てきたコンビということで人馬ともに初重賞を果たしてくれるのではないかと思っております。昨年は外国人ジョッキーの活躍が目立ちましたが、日本人騎手、とくに若手騎手にも活躍してもらいたいという気持ちを込めて、坂井瑠星騎手とリョーノテソーロの人馬共の重賞初制覇に期待したいと思います。