たった7頭立ての少頭数となった共同通信杯。過去10年フルゲートになったことは一度もないぐらい頭数が揃わないレースとは言え、寂しすぎる頭数となってしまいました。
過去10年の勝馬を見ると2012年ゴールドシップ、2014年イスラボニータ、2015年リアルスティール(2着ドゥラメンテ)、2016年ディーマジェスティ、2017年スワーヴリチャードと後のG1馬や大舞台での活躍馬がズラリと並んでおります。後のG1戦線へと繋がる一戦なだけに、注目しておく必要があるレースです。
今年は朝日杯FSの勝ち馬アドマイヤマーズと、京都2歳Sの勝ち馬クラージュゲリエの2強対決様相ですが、ここに割って入ってくる馬として注目しているのは伏兵扱いが濃厚なマードレヴォイスです。
マードレヴォイスは全7戦レースを使っており、出走馬全7頭で一番レース経験が豊富な馬なのですが、ここ2戦はG1ホープフルSで10着、前走G3京成杯で7着と結果を出せておりません。しかし、唯一勝利した未勝利戦の勝ち方は侮れないものがあります。昨年11月に東京マイルで行われた未勝利戦では、6番人気ながら勝利を挙げたのですが、直線で前が塞がる不利がありながらこじ開けるように差し切っての勝利でした。勝ち時計1分34秒8と時計は目立っていないものの、不利があったことを考えるともう少し時計を縮めることも可能だったことでしょう。
さらに、今回は少頭数というのが逆に幸いしたとも言えますが、7頭中東京で勝った馬はマードレヴォイスとダノンキングリーの2頭のみと少ないです。アドマイヤマーズとクラージュゲリエは今回東京が初挑戦ということで、舞台適性を不安視する人も少なくないのではないでしょうか。2頭の能力上位は明らかですが、東京競馬場どころか関東まで輸送してレースを使うこと自体が初めてなのですから、体調面や競馬場の相性も全くの未知というのは人気馬だけに怖い部分ではあります。
その点、マードレヴォイスは東京コースは1勝4着1回の実績があり、すでに2レース経験しております。ここ2戦の大敗がいずれも中山でのレースですから、東京で変わり身があってもおかしくありません。
鞍上は近2戦で手綱を握る三浦騎手です。三浦騎手は2008年にデビューし、いきなり年間91勝を挙げ大注目されたのですが、それ以来デビュー年の勝利数を超えれず、落馬による怪我で長期休養を余儀なくされるなど近年は厳しい時期を過ごしてきました。騎乗に関しても乗り切れておらず、長いスランプに入っているという印象が個人的に強かったのですが、今年は既に13勝とデビュー年以来の好成績を残しています。精神的に吹っ切れたのか身体的なコンディションがやっと整ってきたのか理由は分かりませんが、いずれにせよ今年はレースでの騎乗にも自信とメリハリが出てきたように思えるほど勝利を重ねてきております。今年はこの調子が続けば、再ブレイクも期待できるかもしれませんね。
三浦騎手は勝利数・勝率ともに中山よりも東京の成績が良く、唯一の勝利が東京であるマードレヴォイスとのコンビで今回も臨めるのは好材料。今回は格上ばかりが相手となりますが、人馬共に最大限の力を発揮できるここなら善戦以上の結果を出しても不思議はないでしょう。